久しぶりにコニーが登場！ダリルはますます窮地に!?
今週のウォーキング・デッド
シーズン11も第6話に突入! 今回は「ウォーキング・デッド」（以下「TWD」）の底力を見せつけるエピソード。まだ、こんな新たな技があったとは! だから「TWD」はやめられない。（平沢薫）
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン11について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド～シーズン11第6話
＜これから観る方向け：ネタバレなし＞コニーとバージルはどうなった? そしてダリルはどうなる？
前話のラストで、元“囁く者”の言葉から、コニー（ローレン・リドロフ）が生きていることが判明、今回はその続きが描かれる。コニーが最後に姿を見せたのは、シーズン10第16話「絶体絶命」。ウォーカーたちの洞窟から逃げ出したコニーを、バージル（ケヴィン・キャロル）が発見したところが描かれた。バージルは、シーズン10第13話「選択」でミショーン（ダナイ・グリラ）をだまして自分の住んでいる島に案内した人物。ミショーンは彼を許したが、彼は今、どうなっているのだろう。
そして、収穫者たちに囚われたダリル（ノーマン・リーダス）には、さらに苦境が待っている。ちなみに、今回、ダリルと元恋人・リア（リン・コリンズ）と一緒に行動する収穫者の一員カーヴァーは、第4話から登場したキャラ。演じるのは米俳優アレックス・メラズ。『ブライト』(2017）、デヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』(2016）などに出演。クリステン・スチュワート＆ロバート・パティンソン共演のヴァンパイア映画『トワイライト』シリーズ第2～4作（2009-2011）では、人狼一族の一員ポールを演じていた。彼とリアのドラマも気になるところだ。
＜もう観ちゃった方向け：ネタバレあり＞ホラー編と心理戦編…2つのドラマが充実！
今回は「ホラー編」と「心理戦編」、2つのタイプの違うドラマが楽しめるお徳な回。まず、「ホラー編」なのが、コニーとバージルの体験。2人がウォーカーたちから逃げる途中である家を見つけて入るが、なんとその家には、入ってきた人間を捕らえて食用にする人々が住んでいた……というストーリーは、“怖い家”系ホラーの世界。これまでも、思想面でウォーカーより恐ろしい人間は多々登場してきたが、今回のような人間性を失って野生動物化した人間たちの出現は初めて。やっぱり「TWD」はスゴイ、シーズン11を迎えてもまだ“初めて”の技を出してくるとは。
しかもこのホラー編には、さらに技がある。途中で、観客もコニーと同じように音が聞こえない状態になる音響的演出があり、そのときコニーが感じている恐怖が、リアルに体感できるのだ。グレッグ・ニコテロ監督はホラー映画の特殊メイクの経験豊富でこのジャンルがお気に入り。恐怖演出にも力が入ってる。
また、脚本のケビン・ディーボルトは、冒頭の2人が家を見つけるシーンについて自身のツイッターでオマージュを告白。ゾンビ映画の古典名作、ジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド／ゾンビの誕生』（1968）のヒロインが家を見つけるシーンを意識したのだそう。
そしてもう一つ、今回は心理戦のドラマもたっぷり。第4話で収穫者たちのリーダー教祖（リッチー・コースター）の凶暴さが描かれたので、さぞや過激な戦闘が待っているだろうと思っていたら、彼らとの戦いが「心理戦」になるとは、ちょっとしたサプライズ。そうだった、こちらの予測をいい意味で裏切ってくるのも、「TWD」の魅力なのだ。
教祖はダリルを、捕らえたフロスト（グレン・スタントン）の仲間ではないのか疑っていて、ダリルにフロストを拷問させる。このときの三者の心理戦が過酷。さらにラストでダリルたちが捜索から戻ると、フロストはすでに死んでいて、教祖は「必要なことは聞けた」と言って、ダリルに微笑みかける。これもダリルへの心理的攻撃だ。フロストが何も話していない可能性は大だが、それでもダリルへの心理的圧力になる。教祖が凶暴なだけでなく、こういう戦い方もできる人物だったとは。
また、ダリルとリアの間にも心理的攻防戦が展開。リアは「敵か味方がはっきりして」と言い、ダリルは「ここにいるのは君のためだ。確かに間違いは起こしたが、今はここにいる。信じてくれたら力になる」と言う。この言葉は、彼の性格からして本気だと思われるが、リアにはまだ迷いがある。そして、今後の収穫者たちとマギー（ローレン・コーハン）たちの戦いの中で、ダリルが難しい立場になりそうで、それも気に掛かる。
さて、次はどんな“新たな技”を見せてくれるのか、どんな“サプライズ”が待っているのか。まだまだ先が気になってしょうがない。
