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トラウマ間違いナシの過激スリラー!『TITANE/チタン』など4月の5つ星映画

今月の5つ星

 パルムドール受賞作から人気アニメの劇場版、『ファンタビ』最新作、オスカー俳優ホアキン・フェニックス主演作まで見逃し厳禁の作品をピックアップ。これが4月の5つ星映画だ!【4月5日23時更新】

トラウマ間違いナシの過激スリラー!

TITANE/チタン
(C) KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020

TITANE/チタン』4月1日公開

 カニバリズムを扱った『RAW 少女のめざめ』(2016)で衝撃のデビューを飾ったジュリア・デュクルノー監督が新たな怪作を世に放つ。幼い頃の事故によって頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれた女性の数奇な運命を描き、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールに輝いた。

 過激かつリアルな描写も多く、トラウマになるような強烈な痛みへの覚悟が観る側にも必要とされる。チタンプレートによって車に執着し、きわめて特異な秘密を自身の体に抱える主人公という、デュクルノー監督ならではのSF的な要素をリアルな痛みの表現が際立たせるという構造は見事。今回が初主演にして長編映画デビュー作となった新鋭アガト・ルセルは常に異様なオーラを放ち、観客に緊張を強いてくる。一瞬も気が抜けないスリリングで常軌を逸した驚愕の展開に、観た後はグッタリと疲れることは必至だ。おぞましい怪物も登場し、映画の新しい扉を開くバケモノ映画に仕上がっている。(編集部・海江田宗)

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心地よい余韻に浸れる、エンタメの最高峰

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』4月1日公開

 2021年4月期に放送され話題を呼んだ、人気オリジナルアニメ「オッドタクシー」の劇場版。テレビアニメのエピソードを新たな視点で再構築し、最終回のその後も描く。秀でているのは、構成力。単なる再構築ではなく、新作にテレビアニメのパートが巧みに挿入された、別の物語のような面白さがある。

 発端は、主人公のタクシー運転手・小戸川が女子高生失踪事件に巻き込まれること。並行して登場する数々の証言者の思惑も絡み合い、ミステリーとしてのスピード感が増していく。物語が中盤から終盤へと盛り上がり、結末へと突き進んでいくため夢中になることは必至だ。随所にちりばめられた、核心をつくキャラクターの言葉が人間ドラマに深みをもたらし、詳細な説明をしすぎないことで考察を豊かにする独創的な作風も健在。自分なりの考えを膨らませながら、心地よい余韻に浸ることができるエンタメの最高峰だ。(編集部・小松芙未)

ダンブルドアの秘密って?前作の謎がついに明らかに

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』4月8日公開

 『ハリー・ポッター』の生みの親J・K・ローリングが、同じ魔法の世界を舞台に脚本を手掛け、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの活躍を描いた人気シリーズ第3弾。ニュートは恩師のダンブルドアに導かれ、兄テセウスやマグル(人間)のジェイコブらと共に、闇の魔法使いグリンデルバルドに立ち向かう。

 今作の見どころは何といっても、ダンブルドアとグリンデルバルドの関係、ジェイコブを愛するゆえに“闇落ち”したクイニーのその後、未知の力を持つ青年クリーデンスの正体など、前作で残された謎が明かされる点だろう。ファンタビらしいポップさは残しつつ、前作からのダーク路線は継続。ホグワーツの大広間をはじめ、おなじみの場所やアイテムが登場したりと、ハリポタとのリンクも増すばかりで、ファン心をしっかりとキャッチ。ジョニー・デップの降板で、新たにグリンデルバルドを演じたマッツ・ミケルセンに違和感はなく、むしろ存在感は圧倒的だ。(編集部・中山雄一朗)

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警察学校組の絆が胸アツ!

名探偵コナン ハロウィンの花嫁』4月15日公開

 人気アニメシリーズの劇場版最新作となる本作は、ハロウィンの渋谷を舞台に江戸川コナンが正体不明の爆弾犯の謎に挑む。人気を博している警察学校組(降谷零、松田陣平、萩原研二、諸伏景光、伊達航)が登場し、高木渉刑事と佐藤美和子刑事の恋模様、見応えのあるアクションなど劇場版第25弾も見どころがたっぷり。

 警察学校組が3年前に遭遇した事件が描かれるのはファン垂涎ものだが、降谷と亡き4人の時を超えた熱い絆には、ファンならずとも胸が熱くなる。本作では、降谷が首輪爆弾を装着されるという絶体絶命のピンチを迎えるが、私立探偵・黒ずくめの組織の一員・公安警察のトリプルフェイスを使いこなしているだけあり、首輪爆弾を仕掛けられた後の展開は良い意味で期待を裏切ってくれる。また、BUMP OF CHICKENが歌う主題歌「クロノスタシス」からは、キャラクターたちのさまざまな思いに寄り添うような優しさが感じられる。(編集部・梅山富美子)

愛おしい、陽だまりのような映画

カモン カモン』4月22日公開

 『ジョーカー』でオスカーに輝いたホアキン・フェニックスと、『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督がタッグを組んだヒューマンドラマ。ニューヨークを拠点とするラジオジャーナリストのジョニーと、9歳の甥っ子ジェシーの突然の共同生活を描く。

 映画の肝となっているのは、ジョニーとジェシーが心を通わせていく過程。時に困惑しながら、少しずつ距離を縮めていく二人の姿は、永遠に見ていたいほどいとおしい。等身大の悩める大人であるジョニーを繊細に演じたホアキンと、子どもな部分と大人な部分を併せ持つジェシーにふんした天才子役ウディ・ノーマンが、いかに信頼関係を築いていたのかが映像を通して伝わってくる。全編モノクロ映像だが、日の光の柔らかさが伝わってくる温かなトーンは、カラーにはない独特の味わいで、全編を通して、陽だまりのような優しい物語にとてもマッチしている。(編集部・吉田唯)

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