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青木柚がアツい!ネクストブレイクの天才若手を直撃

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写真:上野裕二

 NHKドラマ「きれいのくに」や連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」などで知名度を上げ、昨年から今年にかけて出演ラッシュだった青木柚。今最も才能のある若手の一人である彼の個性や魅力を、本人へのインタビューを通して分析してみました!(編集部・石井百合子)

俳優になりたいと思ったきっかけ

 足立紳監督の『14の夜』(2016)でスクリーンデビューを果たし、21歳の若さで主演映画が続々と公開されている青木。俳優は天職ともいうべき才能の持ち主だが、「気づいたら始めていた」というのが彼らしい。

 「これがきっかけというのはなくて、気づいたらこの仕事を始めていたという感じです。衝動的な行動だったということ以外は思い出せないんですけど、自分からやりたいと両親に伝えたのは覚えています。物心ついたころから映像が凄く好きで、映画もアーティストのライブ映像もよく観ていましたし、表現すること自体に興味がありました。もともとはライブの演出、照明とかスタッフの仕事に興味があったんです。このタイミングで光が当たるとか、こういうセットがこういうふうに展開していくというのが、かっこいいと思っていたので、この職業を歩んでいる現状が不思議だなと他人事みたいに思っています(笑)」

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俳優としての自己評価

Amazon Original 連続ドラマ「モアザンワーズ/More Than Words」は独占配信中 (C) 2022 NJcreation, All Rights Reserved.

 今年は9本のテレビ・配信ドラマ、4本の映画が公開されるなど多忙を極めた。「モアザンワーズ/More Than Words」(Amazon Prime Video)、「すべて忘れてしまうから」(ディズニープラス)など配信ドラマにも精力的に出演し、現在、芸人の卵を演じるテレビ朝日系ドラマ「最初はパー」が放送中。完成した作品は、必ず一度は観るようにしている。

 「撮影後、帰り道でため息をついてしまうことが少なくないです。ため息のスタンプラリーがあるとしたら全路線押せるんじゃないかと思うぐらい(笑)。そのぐらい考えてしまうことが多くて。自分の作品は必ず一回は観るようにしています。それは反省するためというより、主観的に取り組むだけではきっとよくないというのをどこかで感じていて、どの作品でも自分を客観視する視点を持っておきたいという思いからです」

自信につながった「きれいのくに」

写真:上野裕二

 青木の知名度が一気にアップしたのが、2021年4月から5月にかけてNHKで放送された連続ドラマ「きれいのくに」。舞台は美容整形が当たり前となり、ほとんどの大人が同じ男(稲垣吾郎)と同じ女(加藤ローサ)の顔をしている、どこかの国の未来。理想の顔を手に入れることは果たして幸福なのか? という普遍的な問いを、ある高校生グループの青春群像を通して描き出すSFモノで、青木は性への興味や幼なじみ(見上愛)への恋心、そして容姿の価値観に揺れる高校生を演じた。

 「『きれいのくに』は同業の方からも『観たよ』と声をかけられることが多かったです。今までは青さとか、自分がもっている等身大のもので通用してきたと思うんですけど、この作品は脚本を書かれた加藤拓也さんの独特の世界観。高校生たちが何かが外れた拍子にすべてが崩壊してしまうような繊細さで組み立てられたお話だったので、そういった作品で評価していただけたことはうれしく、自分は演技をしてもいい人間なんだと認識が変わった作品でもあります」

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ジョニー・デップとの共演

写真:上野裕二

 2021年9月に公開されたアメリカ映画『MINAMATA-ミナマタ-』では、世界的スターのジョニー・デップと共演するチャンスを手にした。水俣で公害に苦しむ人々の日常と闘いの日々を撮影し、1975年に写真集「MINAMATA」を発表したユージン・スミス(ジョニー・デップ)の軌跡をたどる物語で、青木は水俣病患者の少年シゲル役に抜擢。日本から真田広之美波國村隼浅野忠信加瀬亮らベテランが集結するなか、デップとの1対1の共演シーンなどで鮮烈な存在感を放った。

 「そうそうたる顔ぶれの中にお邪魔させていただいて、デップさんをはじめ尊敬している方々ですし、勉強になることばかりで。自分が先輩方と比べてまだ何もないという自覚もあったので緊張はしませんでした。言語の違いも大きかったかもしれません。おそらく、当時はまだ意識もそこまで高くなかったというか、自分が積み上げてきたものには誇りを持っているけれど、自分がこの場所にいられるのが不思議で仕方がないという状態だったので。現地のスタッフさんやデップさんを含め、何を話しているのかわからないけどフィーリングで意図を汲み取るようなことが多かったような気がします。空港のトランジットが一番恐怖でした(笑)」

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近年、影響を受けた映画

『君の名前で僕を呼んで』より (C)Sony Pictures Classics / Photofest / ゲッティ イメージズ

 本格的に映画を観るようになったのは高校を卒業してから。横浜出身ということもあり、お気に入りの映画館はシネマ・ジャック&ベティ。「劇場と記憶が結びついている」と話す。配信ドラマに出演する機会が増えたこともあり、「サブスクの加入率は高い」ものの、「劇場で観る体験も何物にも代えがたいことなので行けるときは劇場で、サブスクはもとをとるつもりで(笑)」とバランスを取りながら楽しんでいる模様。

 「自分を突き動かすような作品、バイブルになるような作品にはまだ出会えていないのですが、強いて挙げるとしたら高校生のときに小論文を書いた『君の名前で僕を呼んで』(2017)。進路を考えるときに好きな作品について書きなさい、みたいな課題があって、当時公開されていたのがこの作品だったんです。友達と観に行って素敵だなあと。同性愛を描いた作品なんですけど、その部分がフィーチャーされているようにも感じなくて、ジャンル分けできないシームレスの感じ。価値観が広がったというか、いまだかつてない感覚があって、あらためて今、自分はこういう時代を生きているんだなと感じた作品でした」

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最新作はコレ!

『はだかのゆめ』より (C) PONY CANYON

 新作主演映画は、2人組バンドBialystocks(ビアリストックス)としても活動する甫木元空(ほきもと・そら)監督と組んだ『はだかのゆめ』(11月25日公開)。甫木元監督自身の家族の話をもとに、高知県・四万十川のほとりに暮らす少年ノロと母、祖父の親子3代の日常を追う物語で、青木演じるノロは「お盆が終わった後に遅れてやってくる幽霊」という設定だ。生者と死者が交錯する特異な世界観ゆえに、青木はクランクイン前日まで悩んだという。

 「台本を読んだときはノロというキャラクター、人物像が何回読んでも実体をつかめないところがあって、撮影前日まで悩んでいました。監督の中で決まった人物像があるわけではなく、何か抽象的な表現や感覚を共有してくださることが多くて。最初はそこで悩むことはあったんですけど、四万十川に行って撮影場所でもある監督のおじいさまが住んでいる家に入った瞬間に、自分の中であやふやだったところが埋められていくような感覚がありました。母親役の唯野未歩子さんと僕で伺って、実際に監督のお母さまが書かれていた日記帳を手にしたり、お仏壇に手を合わせたりすることで、そこで感じるものがたくさんあって。抽象的だったり言葉にできないような感覚というのが、むしろノロを演じるうえで一番大事なんだろうなというのを監督からも感じたので、何か確実な答えをもらうとか、そういうことではないんだなと。撮影地が四万十川ではなかったらノロという人物、作品は全く違ったものになったと思うので、土地の力に助けられた部分が多かったです」

 『MINAMATA』のアンドリュー・レヴィタス監督は「信じられないほどの実力の持ち主。絶対注目すべき俳優」と絶賛。映画『うみべの女の子』では原作者の浅野いにおをして「磯辺の役は正直青木さんじゃないと成立しないと思っていました」と言わしめ、「モアザンワーズ」原作者の絵津鼓は、「雰囲気や目の表情、立ち振る舞いすべてが槙雄な青木さん」とコメント。10代を俳優として目まぐるしいスピードで駆け抜けた青木だが、20代になっても勢いは増すばかり。来年も器械体操を題材にした『まなみ100%』(2023年公開)と、東映ビデオが新たな才能を発掘するプロジェクト「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」の第1回製作作品『神回』(夏公開)と2本の青春映画で主演を務める。

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