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【完全ネタバレ】マーベル「エコー」徹底解説 ラストシーンが意味すること

 アベンジャーズのホークアイを追い詰めた、謎多きキャラクター・エコーを描くドラマシリーズ「エコー」がディズニープラスで全話配信中だ。ドラマを観るために、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に関する知識はまったく不要。全5話を通して描かれるエコーの物語を、ファンには嬉しい小ネタと合わせて解説する。(平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「エコー」全5話鑑賞後にお読みいただくことをお勧めします。

エコーの超人的パワー

 マーベル・スタジオの新レーベル「マーベル・スポットライト」の作品は、一人のキャラクターに焦点を当てる内容で、他のMCU作品を見ておく必要がないところが特徴。第1弾である「エコー」は、そのコンセプト通りの内容になっている。とはいえ、物語の舞台は、他のMCU作品と同じ世界なので、ファンには嬉しい小ネタも山盛りだ。

 エコーことマヤ・ロペスの基本設定はコミックと同じ。彼女は、1999年の「Daredevil(Vol. 2)#9」でコミックデビュー。MCUではドラマ「ホークアイ」(2021)で初登場した。ドラマの基本設定も原作と共通で、アメリカ先住民の血を引き、生まれつき耳が聞こえず、幼少時から犯罪王キングピンに育てられ、訓練で身につけた優れた格闘能力を持つ。

 原作でのエコーは、基本的には鍛え上げられた人間で、スーパーパワーは持たない。先祖代々からの超人的なパワーを発揮するのは、ドラマオリジナルの設定だ。しかし、実はコミックでも彼女は超常的なパワーを持ったことがある。2020年の「Avengers(Vol. 8) #38」から始まったエピソードでは、フェニックス・フォース(宇宙を飛翔する巨大なエネルギー)の宿主となり、超常的パワーを発揮した。ドラマの能力は、このエピソードを意識しているのかもしれない。

 また、コミックではエコーの父親がシャイアン族、「エコー」ではエコーの両親がチョクトー族だが、いずれも実在するアメリカ先住民の部族の名前。エコーを演じたアラクア・コックスは、メノミニー族とモヒカン族の血を引いており、生まれつき耳が聞こえないところもエコーと同じだ。

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「Marvel デアデビル」とのリンク

 エコーの育ての親で、今や彼女の敵となったキングピンことウィルソン・フィスクは、1967年の「Amazing Spider-Man #50」でコミックデビュー。MCUでは「ホークアイ」(2021)にも登場したが、初登場はNetflix制作のドラマ「Marvel デアデビル」シーズン1(2015)だ。「Marvel デアデビル」は、MCUの正史に認定され、現在はディズニープラスで配信されている。よって、「エコー」と「Marvel デアデビル」のキングピンが同一人物だと思わせるリンクがある。

 「エコー」の第5話「マヤ」でキングピンの過去の記憶に登場する、彼の少年時代の苦悩を象徴する白い壁。これは「Marvel デアデビル」シーズン1第3話「吹雪の中のウサギ」以来、何度もこのドラマに登場しているアイテムだ。

 キングピンは、「ホークアイ」最終話でエコーに撃たれたが、「エコー」第1話「チャファ」で生きていたことが判明する。これは、コミックにも同様のエピソードがある。2023年のグラフィックノベル「Daredevil: Parts of a Hole」では、ドラマのように、エコーが父の死の背後にキングピンがいたことを知り、彼を銃で撃つ。キングピンは両目を負傷するが、再建手術を受けて見えるようになる。

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MCUで見かける都市&大企業の名前が!

 独立色が強い「エコー」だが、MCUではおなじみの名前がいくつか登場する。第2話「ロワク」では、エコーのいとこ・ビスケットが、アメリカ先住民の民芸品店で、白人の客に商品を売り込む時に「でもあの店の商品はマドリプール産だ」と言う。マドリプールとは、1985年の「New Mutants #32」以来、複数のコミックに登場する犯罪都市。MCUでは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第3話「パワー・ブローカー」で描かれた。

 第5話「マヤ」では、エコーがバイクを止めて立ち寄ろうとするレストランと併設する、ガソリンスタンドの上に「ロクソン(Roxxon)トラベル・ストア」の文字がある。ロクソンとは、1974年の「Captain America #180」以来、コミックやMCUでおなじみの大企業の名称。映画『アイアンマン』シリーズやドラマ「Marvel デアデビル」「ロキ」にも登場している。

 そして第5話のポストクレジット・シーンでキングピンが見るニュース番組のキャスター、パット・キアナンもMCUではおなじみの人物。彼は、実際の米CITV局のニュースキャスターだが、これまで『アベンジャーズ』『アイアンマン3』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』やドラマ「Marvel デアデビル」「ホークアイ」などのニュース番組の映像に登場している。

 ちなみに、第4話「タロア」で描かれるエコーの少女時代で、キングピンがアイスクリーム売りを殴打する出来事が起きたのは2008年。これは、MCUの記念すべき第1作『アイアンマン』の公開年。ひょっとしたら、この年号もMCUを意識しているのかもしれない。

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「デアデビル」新作への布石

 「エコー」最終話のポストクレジット・シーンでは、キングピンが「NYには新たな市長が必要だ」と報じるニュース番組を見て、何かを思案する表情になる。これは、新ドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)/ Daredevil : Born Again」で彼がNY市長になることを予告しているのかもしれない。彼が同作に登場することは発表済み。原作コミックでも、キングピンがNY市長選で勝利するエピソード(2018年の「Daredevil #595」)が存在する。

 また、「エコー」第1話「チャファ」には、エコーがデアデビルと戦うシーンがあるが、これはエコーが「デアデビル」新作に登場する可能性を示唆しているのかもしれない。「エコー」はこれだけで独立した物語だが、このようにMCUにもしっかりつながっている。エコーというひとりの人間の物語が、MCU世界の奥行きをより深めてくれるのだ。

「エコー」(全5話)ディズニープラスにて独占配信中

(c) 2024 Marvel

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