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【完全ネタバレ】『キャプテン・アメリカ:BNW』徹底解説 アベンジャーズ新作への布石&イースターエッグまとめ

 マーベル・スタジオ最新作キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールドには、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)やマーベル・コミック関連のイースターエッグがたっぷり。『アベンジャーズ』次回作への布石となる本作がもっと楽しくなるネタの数々を紹介する。(文・平沢薫)

※本記事はネタバレを含みます。映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

【これまでのMCU映画とのリンクがたっぷり】

 本作には、過去のMCU作品とのリンクが山盛り。特に、映画インクレディブル・ハルク(2008)とドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)との結びつきが深い。

サミュエル・スターンズ/リーダー

 レッド・ハルク出現の黒幕だと判明するサミュエル・スターンズ(ティム・ブレイク・ネルソンは、『インクレディブル・ハルク』に登場した生物学者で、俳優も当時と同じ。彼は同作のハルク/ブルース・バナー(エドワード・ノートン)とネットで知り合って協力するが、勝手にハルクの血液サンプルを培養し、それを悪用されてしまう。『ブレイブ・ニュー・ワールド』では頭部が変形しているが、『インクレディブル・ハルク』にも額の傷に血清を浴びてしまい、額が膨れて波打つシーンがある。

 スターンズは、コミックでは「Tales to Astonish #62」(1964)で初登場し、頭部の変形後のヴィラン名は「リーダー」。コミックでも、悪の天才科学者集団インテリジェンシアの一員として、レッドハルクを生み出している。

「ミスター・ブルー」

 スターンズがマインドコントロール時に流す曲は、米コーラスグループ・フリートウッズの「ミスター・ブルー」(1959)だが、この名前は『インクレディブル・ハルク』にも登場した。ブルース・バナー/ハルクはネットで「ミスター・グリーン」と名乗り、スターンズは「ミスター・ブルー」と名乗って交信する。この名前はコミックにも登場しており、初出は「Incredible Hulk (Vol. 2) #34」(2002)。この時は、ハルクの恋人ベティがこの名前を使っていた。

セレスティアル島

 セレスティアル島と呼ばれるこの島は、映画『エターナルズ』(2021)に登場したセレスティアルズ(この世界の創造以前から存在し、エターナルズを生み出した種族)のティアマットの身体が島の状態になったものを指す。同作のラストでインド洋に出現しようとしたところをセルシ(ジェンマ・チャン)に阻止され、石化していた。コミックでも、地球の内部で誕生を待っている。

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アダマンチウム

 セレスティアル・アイランドで採掘される貴重な金属の名称アダマンチウムは、映画『X-MEN』シリーズのウルヴァリンの骨格や爪を形成する金属としておなじみ。コミックでも同様の設定で、マーベル世界で最も強度の高い金属の一つ。ティアマットから採掘されるという設定は、映画オリジナルだ。

レッドルーム&ルース・バット・セラフ

 大統領のセキュリティー担当の政府職員ルース・バット・セラフ(シラ・ハース)は、作中でレッドルームで訓練された元ウィドウだと説明される。このレッドルームは、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)を訓練したロシアのスパイ組織で『ブラック・ウィドウ』(2021)などMCUで何度も言及されている。

 ルース・バット・セラフと同名のキャラクターは、コミックにも存在する。初登場は「Incredible Hulk #250」(1980)。映画でこの人物を演じるハースは、イスラエル出身なので、出身地はコミックと同じようだが、他の設定は違う。コミックでは、ミュータント能力を持つイスラエルの諜報機関のエージェントで、コードネームは「サブラ」だ。

ラフト

 ラスト付近で、サディアス・ロス(ハリソン・フォード)が収監される施設は、スーパーヴィラン専用の刑務所で、名称はラフト。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に登場し、ソコヴィア協定を拒否したアベンジャーズの面々が投獄された。今回はサムがロスを訪ねるが、同作ではサムの方がロスに投獄されていた。同刑務所はコミックにも登場しており、初出は「Alias #26」(2003)。

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【他にも細かなリンクが多数】

 これ以外にも、MCUとのリンクは多数ある。ロス大統領が娘ベティ(リヴ・タイラー)と疎遠なのは、『インクレディブル・ハルク』で彼がベティと当時付き合っていたブルース・バナーを攻撃したから。

 新たなキャプテン・アメリカであるサムがバッキー(セバスチャン・スタン)に言う「スーパーソルジャー血清を撃つべきだったかもしれない」という発言は、サムが「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で血清を打つ機会があったのに、あえて打たなかったことを踏まえている。

 また、新ファルコン/ホアキン・トレス(ダニー・ラミレス)や、朝鮮戦争で戦ったアフリカ系スーパーソルジャーであるイザイア・ブラッドリー(カール・ランブリー)は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」にも登場している。

【コミック由来のキャラクター&アイテム】

 マーベル・コミックとのリンクも随所に見られる。チーム名やキャラクターの名前は、いずれもコミック準拠だ。

サーペント

 冒頭のヴィラン集団はサーペントと呼ばれるが、これはコミックの「サーペント・スクワッド」「サーペント・ソサエティ」を踏まえたものだろう。サーペント(ヘビ)に関連したヴィランのチームで、初出は「Captain America #163」(1973)。

サイドワインダー

 サーペントのリーダー・サイドワインダージャンカルロ・エスポジート)は、コミックにも同名キャラクターが存在する。コミックでも、格闘技の名手で、犯罪組織サーペント・ソサエティを結成する。コミックでは経済と金融の専門家でもあり、犯罪には収益の高さを求める。

コッパーヘッド

 教会でキャプテン・アメリカと戦うサーペントの巨漢のメンバーは、コッパーヘッド(ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン)という名前で、コミックに同名キャラクターがいる。コミックでもサーペント・ソサエティのメンバーで、初登場は「Captain America #337」(1987)。コミックでは、ヘビの仮面や被り物を身につけていることが多い。

デニス・ダンフィー

 海軍特殊部隊員のデニス・ダンフィー(ウィリアム・マーク・マッコロー)は、キャプテン・アメリカから無線で大統領の飲んでいる錠剤を調査するように連絡を受けるが、スターンズに遠隔操作で心拍を停止されてしまう。原作コミックにも「Thing #28」(1985)で初登場した同名キャラクターが存在するが、こちらはプロレスラーという設定で、デモリションマンと呼ばれるヒーローになる。

キャンプ・エコー1

 スターンズが幽閉されていた軍の極秘研究所の名称。コミックの初出は「Champions (Vol. 2) #10」(2017)で、ブルース・バナー/ハルクが安全に過ごせるようにS.H.I.E.L.D.が提供した施設として登場する。

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【今後のMCUへとつながるシーン】

 今後のMCU作品への布石も見逃せない。まず、ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズについての新情報。キャプテン・アメリカ/サムがバッキーとの対話の後、そのセリフはスピーチライターが手伝ったのかと聞き、その後、大統領のセキュリティー担当のルースが彼を「未来の下院議員」と呼ぶことから、バッキーが下院議員選挙に出馬することがわかる。すると彼は、次に登場するMCU映画サンダーボルツ*』(5月2日日本公開)では、下院議員になっているのだろうか?

 より重大なのは、『アベンジャーズ』次回作『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)/Avengers:Doomsday』(2026年5月1日全米公開)『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)/Avengers:Secret Wars』(2027年5月7日全米公開)への布石だ。キャプテン・アメリカは、ロス大統領にアベンジャーズ再建を打診され、一時はためらうが、それについて考えるようになり、最後には新ファルコン/ホアキン・トレスに新たなアベンジャーズ結成の決意を語る。この決意が『アベンジャーズ』続編2作につながっていく。新たなファルコンがメンバーになることも決定的だろう。

 そして、ポスト・クレジットシーンでは、スターンズがキャプテン・アメリカに重要な発言をする。この世界が唯一の世界ではなく、他の世界からの脅威に直面することになると語るのだ。これは、マルチバースを示唆しているのか? そして、これまでMCUでアイアンマンを演じてきたロバート・ダウニー・Jrが、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』で悪役ドクター・ドゥームを演じることと、何か関連があるのか? 今から今後のMCU映画が待ちきれない。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は全国公開中

(C) 2025 MARVEL.

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