ADVERTISEMENT

【ネタバレ解説】「デアデビル:ボーン・アゲイン」初回2話:衝撃的な幕開け…MCUの小ネタも多数

デアデビル

 昼は弁護士、夜はクライムファイターのヒーロー・デアデビルを描くマーベル最新ドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」の初回(第1話)「天国のひととき」、第2話「大衆へのアピール」がついに配信された。新章開幕は、まさかの衝撃展開!  しかも、予想を超えてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とコミックのリンクをぎっしり詰めてきた!(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「デアデビル:ボーン・アゲイン」第1話・第2話をまだ観ていない方はご注意ください。

衝撃の事件発生…前代未聞のオープニング

デアデビル

 冒頭から、映像のスタイリッシュさが格段にアップ! 夜のニューヨーク、大人の街の気配が描写され、うわ何この映像のカッコよさ、と思った途端に衝撃的な事件が発生。デアデビル/マット・マードック(チャーリー・コックス)の弁護士事務所仲間で親友のフォギー(エルデン・ヘンソン)が銃で撃たれて死亡する。この悲劇のせいで同じ事務所仲間のカレン(デボラ・アン・ウォール)とも疎遠になり、彼女はサンフランシスコに去ってしまう。今回のドラマはその1年後から本格スタート。これまでのドラマに直結させつつ、同時に新たな物語のスタートを宣言する、オープニングのインパクトは強烈だ。

 そのうえで、これまでの「デアデビル」シリーズとのリンクもたっぷり。フォギーの殺害犯ブルズアイ/ベンジャミン・“デックス”・ポインデクスターウィルソン・ベセル)は、「Marvel デアデビル」シーズン3(2018)から登場しているキャラクター。また、ウェブニュース「bbリポート」を配信するBB・ユーリック(ジェニア・ウォールトン)の叔父について、キングピン/ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)が「よく知っている」と言うのは、「Marvel デアデビル」シーズン1でその人物、新聞記者ベン・ユーリック(ヴィンディ・カーティス=ホール)に過去を調べられ、彼を殺しているからだ。

 もちろん、マットとフィスクの関係はこれまで通り。2人は、ダイナーで互いの決意を語る。どちらもこの街の状況を改善することを目指しているが、お互いの方法論を認めない。この時、フィスクが「約束は守っている」と言うのは、「Marvel デアデビル」シーズン3でフィスクが愛するバネッサ(アイェレット・ゾラー)を守るためにマットと交わした、「お互いの愛する者には危害を加えない」という約束のことだ。

ADVERTISEMENT

スパイダーマンの匂わせも!MCUとのリンク

デアデビル

 これまでのドラマはNetflix製作で、製作後にMCU入りしたが、「ボーン・アゲイン」からはマーベル・テレビジョンが製作している。そこで早速、MCUネタがあちこちに散りばめられている。分かりやすいところでは、フィスクが演説で不要だという「クモをマネた者」はスパイダーマンのこと。この時に言う「ドクロのスーツを着た者」はパニッシャーで、「Marvel デアデビル」シーズン2の既出キャラクター。「悪魔のツノを生やした者」はデアデビルだ。

 また、フィスクの演説がモニターで流れているタイムズ・スクエアには、ドラマ「ホークアイ」(2021)に初登場したキャプテン・アメリカを描くミュージカル「ロジャース:ザ・ミュージカル」のポスターがある。この舞台の看板やポスターは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』などにも登場しているMCUの定番アイテムだ。

 そして、フィスクの設定は、MCUドラマ「ホークアイ」とそのスピンオフ「エコー」(2024)も踏まえていることが判明した。フィスクとマットとの会話で、フィスクが「手塩にかけた者はいた」と言うのはエコー(アラクア・コックス)のこと。するとマットが「顔を撃たれたんだろ」と言うのは、フィスクが「ホークアイ」でエコーに顔面を撃たれたことを指している。

ADVERTISEMENT

マーベルコミックとのリンクも多数

デアデビル

 新たな登場人物には、コミックが元ネタのキャラクターが多数いる。冒頭近くからテレビ画面で活躍が報じられていたホワイト・タイガー/ヘクター・アヤラ(カマール・デ・ロス・レイス)は、コミックでは「Deadly Hands of Kung Fu #19」(1975)初登場で、コミック版「Daredevil Vo.2」(2003)にも登場。ヒスパニック系のスーパーヒーローで、アミュレット(護符)により超人的な力を得るという設定はコミックと同じ。本作の第2話冒頭で「カマール・デ・ロス・レイスに捧ぐ」というテロップが映るのは、この役を務めたカマールが2023年12月にがんで死去したためだ。

 また、マットと新たな弁護士事務所「マードック&マクフィー」を開いた同僚クリスティン・マクフィーニッキー・M・ジョーンズ)は「Daredevil Vol. 3 #1」(2011)でコミックデビュー。コミックでも同僚の弁護士で、一時はマットと恋愛関係になる。

 ドラマでマットの新たな恋人になるヘザー・グレンマルガリータ・レヴィエヴァ)のコミック初登場は古く「Daredevil #126」(1975)。コミックでは精神科医ではなく、父の経営する大企業の秘書だが、マットと恋人同士になるのは共通だ。

デアデビル

 また、ホワイト・タイガーの裁判で裁判長を務めるホークこと地区検事長ホークバーグジョン・ベンジャミン・ヒッキー)は、コミックでも同じ役職。「Daredevil Vol. 5 #2」(2015)でコミックデビューを飾っている。

 そして、どうやらもう一人、これから登場しそうなコミック出身キャラがいる。第1話のラスト近く、ストリートの壁面にフィスクのグラフィティを描いている顔の見えない人物が、何か意味がありそうにじっくり映し出されるが、これはミューズかもしれない。ミューズはコミック「Daredevil Vol.5 #11」(2016)で初登場。グラフィティアーティストでありながら残虐なシリアルキラーという、ユニークな存在だ。そのMCU初登場に期待したい。

ADVERTISEMENT

近年のMCUでダントツのカッコよさ!

デアデビル

 イースターエッグも抜かりなく、長回しで魅せるガチンコの肉弾戦の迫力も期待通りだが、そのうえで注目なのは、映像と物語、双方のクールさと大人向け仕様だろう。街の状況を、マットが優れた聴覚で住民たちの多様な声を聞いたり、そこにいる人々がアップする縦長のスマホ動画で見せるという、演出の妙。また、心理描写も細やか。ニューヨーク市長になったフィスクが市長の机に座って父親の話をする場面は、かつて彼の父親が市長選に立候補して敗れたことを連想させるし、その一方で、彼がお役所仕事の遅さに苛立ったり、夫婦で結婚生活修復のためのセラピーを受けるという描写には、大人向けのユーモア感覚が漂う。

 そして、とにかく映像がスタイリッシュ。特に第1話ラストのニューヨークの夜、高層ビルから街を見下ろすフィスクの青い情景、雑踏を歩きながら空を見上げるマットの赤い情景の対比。2人が対話する時にも、窓の外にはNYの凍える風景が広がっている。エンディングで急に流れる曲も、第1話は TV on the Radio の「Staring at the Sun」、第2話は The Vines の「Get Free」で、そのクールさにシビレる。挿入歌は各話のエンドクレジットに表記されているので、要チェックだ。

デアデビル

 今回の配信分を見る限り、ショーランナーにドラマ「パニッシャー」のダリオ・スカーダペインを起用したのは大正解。監督は、第1話は「ロキ」「ムーンナイト」に参加したコンビ、ジャスティン・ベンソンアーロン・ムーアヘッド。第2話は映画『アメリカン・アサシン』のマイケル・クエスタが務めている。

 そして、続きが見たくなる謎もたっぷり。マットは無実のホワイト・タイガーを救うことが出来るのか。なぜ、警官たちはホワイト・タイガーが関わった事態の証人を消そうとしているのか。それが明かされていくはずの第3話が早く見たい!

「デアデビル:ボーン・アゲイン」ディズニープラスにて独占配信中

(c) 2025 Marvel

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT