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マーベルヒーローチーム原点!『ファンタスティック4』なぜ愛され続ける?

ファンタスティック4ってどんなヒーロー?

 『アベンジャーズ』などで知られるマーベルヒーローチームの原点である4人組の活躍を描いた最新作ファンタスティック4:ファースト・ステップ。誕生から60年という長い歴史を誇るファンタスティック4は、なぜマーベルの原点と呼ばれ、今も多くの人々に愛され続けているのか。この夏、世界を救う4人のヒーローチームを徹底解剖した。(文・平沢薫)

すべての始まりはここだった!

マーベルの神が生み出したヒーローチームの原点!

 ファンタスティック4は、なぜマーベルの原点と言われているのか。それは、彼らが現在まで継承されているマーベル・コミックスの精神を初めて実現したキャラクターだからにほかならない。彼らの生みの親であり、マーベルのレジェンドであるスタン・リーは、ファンタスティック4の原点について自身の自伝でこう語っている。

 「私は、自分が個人的に繋がりを感じることができるキャラクターを作りたいと思った。彼らには、血と肉がある。彼らには傷があり、欠点があり、間違いやすく、短気だったりもする。彼らはカラフルなスーツやブーツを身につけているが、両足は泥の中に突っ込んでいるんだ」

 ここでスタン・リーが語っている、欠点もあるヒーロー、誰もが親近感を持てるヒーローという発想は、当時の完全無欠のヒーロー像を打ち砕く、斬新な発想だった。そして、その発想を具現化したファンタスティック4は、コミックスファンの熱狂的な支持を得る。そこでマーベル・コミックスは、この発想を元に、翌年1962年に“親愛なる隣人”スパイダーマンや、“社長”ことアイアンマンを生み出す。こうして、マーベルならではのヒーロー像の原点となったのがファンタスティック4だ。

 その後、長い年月を経て、マーベル・コミックスは映画化され、ご存知のように世界中でブームを巻き起こしたが、このマーベルの原点は変わっていない。今、その原点に立ち返り、その精神を再確認させてくれるのが映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』なのだ。

チームワーク&パワーが最強!

 ファンタスティック4は、個別のヒーローがチームを組んだのではなく、最初からチームとして描かれたところもユニーク。そのため、メンバー4人は、見た目も能力も4者4様で分かりやすい。また、ユニークなパワーを持ちながら、人間的なのも彼らの魅力。もともと、4人は同じ宇宙船に乗って、未知の惑星を目指す宇宙飛行士。しかし、その途中で放射線を浴びたことから、それぞれ異なる特殊能力を持つようになってしまう。

チームの頼れるリーダー、リード・リチャーズ

 チームのリーダー的存在、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック(ペドロ・パスカル)は天才科学者。チームの頭脳でもあり、数々の新発明を創造し、作戦でも冷静な判断を下す。それだけなら近寄り難い存在だが、彼が得た特殊能力は、身体が自由自在に伸びたり縮んだりするという、少々見た目がユーモラスな能力。この能力は「ONE PIECE」のルフィを連想させるが、ひょっとしたらルフィの能力のイメージの原点は、ミスター・ファンタスティックかもしれない。このユニークすぎる能力でダイナミックにスクリーン狭しと伸び縮みする映像は、きっとアトラクション的な興奮をもたらしてくれることだろう。

チームの精神的な柱、スー・ストーム

 唯一の女性メンバー、スー・ストーム/インビジブル・ウーマン(ヴァネッサ・カービー)は、自分の身体を透明化する能力と、目に見えないエネルギーを操り、フォース・フィールドを形成する能力を持つようになる。チームリーダーであるリードの妻で、彼との間に子どもを宿している。ジョニーの姉でもあり、ベンとも親友なので、チーム全員を支える精神的支柱でもあり、彼女が中心となってチームが回っていると言ってもいいほど太陽のような存在だ。

炎をまとって空を飛ぶ!ジョニー・ストーム

 ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ(ジョセフ・クイン)は、高熱の炎を操る能力で、全身を炎で包んで高速飛行したり、炎を放つことができるようになる。スーの弟で、陽気でやんちゃな性格。姉は大好きだが、リードやベンには、悪口を言ったり、ケンカをすることもある。いろいろ未熟な点が多い彼だが、その危うさがとんでもなく魅力的だったりもする。

チーム屈指の怪力!ベン・グリム

 リードとスーとは学生時代からの親友なのが、ベン・グリム/ザ・シング(エボン・モス=バクラック)。超人的な怪力と頑丈な能力を持ち、岩のような大きな姿に変貌した。一見、頑丈で屈強だが、自分だけ外見が変わってしまった彼がかかえるセンシティブな葛藤が、ある意味普遍的な共感ポイントでもあり、物語に深みを加えていると言ってもいい。

 このメンバー4人は、マーベルの人気キャラクターであるアイアンマンやスパイダーマンなどの原点となったという説もあるのだが、これは説得力がある。リード/ミスター・ファンタスティックは、天才科学者なところがアイアンマンと共通。家族思いのスー/インビジブル・ウーマンは、姉妹思いのブラック・ウィドウに似ている。ジョニー/ヒューマン・トーチは、お茶目な弟キャラがスパイダーマン系。ベン/ザ・シングの怪力と巨体は、ハルクのようだ。

家族ドラマに共感!

家族の絆をパワーに戦う!

 ファンタスティック4がユニークなのは、彼らが何者かに選ばれてヒーローになったのではなく、不慮の出来事により特殊能力を持つようになったが、その後も性格はそれ以前と変わらない、普通の人間のままなこと。しかも、ヒーローになる前から、恋人であり、姉弟であり、親友であったことだ。だから、お互いに嫉妬もすれば、ケンカもするが、それは、深いところで強い絆で結ばれているから。いざというときには、その絆が能力以上の力を発揮するのが、彼らなのだ。パワーよりも、お互いの深い絆が威力を発揮するーーそういう物語だからこそ、今、映画化されることに意味がある。

 もう一つユニークなのは、ファンタスティック4が既に人々から愛されているヒーローチームとして描かれていることだ。これまでのマーベル作品では、とあるキャラクターがヒーローになっていく過程や、ヒーローとなった後、他のヒーローたちとチームアップしていくドラマが描かれることが多かった。しかし今回のファンタスティック4は、そのユニークな能力で人々を救い出してきたことで、テレビのトーク番組に出演したり、私生活を報じられたりするほど、既に国民全体から愛されている。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)初登場のキャラクターばかりなのに、既に国民中に知られていて、愛され、賞賛されているという唯一無二のヒーローチームなのだ。

 彼らが今も愛され続けているのは、そんなふうに人間らしく感情豊かだからだろう。彼らはコミックスでは敵にも愛されて、戦った後で友人になることも少なくない。コミックスでは、最初は敵だったブラックパンサーや、アトランティスの王子ネイモアとも、後に友人になっている。

最強すぎて人気!ヴィランも愛される

惑星を丸ごと破壊…恐ろしき宇宙神ギャラクタス

 今回の映画で、ファンタスティック4の前に立ち塞がるのは、マーベル・コミックスの代表的ヴィラン、“宇宙神”ギャラクタスラルフ・アイネソン)だ。ギャラクタスは、あらゆる面でスケールが大きい。惑星を丸ごと破壊し、その時に生じるエネルギーを食べる。身体はその影が一つの街を覆うほど巨大。さらに、銀河を超えて移動する能力も持っている。

 そんなヴィランでありながら、その強大なパワーや個性的なルックスを愛するファンが多い。コミックスでは「Fantastic Four Vol.1 #50」(1966)で一度は倒されたが、復活を願う要望があまりに多かったためカムバックした、愛されヴィランでもある。

 今回、そのギャラクタスと一緒に登場するのが、こちらもマーベル・コミックスを代表する人気キャラクター、シルバーサーファージュリア・ガーナー)。銀色に輝く身体で、サーフボードのようなボードに乗って宇宙を驚異的スピードで駆け回る、敵か味方かわからない謎の存在だ。地球を狙って襲来した彼らに、ファンタスティック4はどう立ち向かうのか。このシルバーサーファーと“宇宙神”ギャラクタスは、マーベルのなかでも人気の高い最強のヴィランとして愛され続けている。

敵?味方?謎の存在シルバーサーファー

 そんな本作は、次の『アベンジャーズ』映画『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』に直結するという。先月バルセロナで行われた映画見本市「CineEupope」に出席したマーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギが断言したのだ。もっとも、すでにこの『アベンジャーズ』新作の出演者のリストが発表され、そこにファンタスティック4を演じるキャスト4人の名前が入っていた。

 実はその前、新たな『アベンジャーズ』映画にドクター・ドゥームが登場することが発表された時から、ファンタスティック4の登場は予告されていたと言ってもいい。なぜならドクター・ドゥームは、コミックス「ファンタスティック・フォー」で初登場した、彼らの宿敵だからだ。コミックスでは、ドクター・ドゥームと、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックは、学生時代に出会い、最初は友人だったという複雑な歴史を持っている。映画でも、2人の間には何か関係があるかもしれない。

 現時点では、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』は2026年12月18日全米公開、続く『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』は2027年12月17日全米公開。この2作へと続く道の中で、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は必ず観ておかなくてはならない1作に違いない。

※マーベル・コミックスの第1作は1939年刊行の「Marvel Comics Vol.1」

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は7月25日(金)日米同時公開

公式サイトはこちら>>

スー・ストームについてもっと知りたい人は>>現代人にとって共感度MAXのヒーロー誕生!? 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のスー・ストームに迫る(シネマカフェ)

(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

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