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「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」シーズン3第3話:史上初!海中からウォーカー襲来

今週のウォーキング・デッド

 「ウォーキング・デッド」の人気キャラクター、ダリル(ノーマン・リーダス)とキャロル(メリッサ・マクブライド)のその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」。第3話「犠牲」では、海からウォーカーが出現! さらに、自ら"犠牲"になる人物が現れる。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」第3話をまだ観ていない方はご注意ください。

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シリーズ初! 海の中からウォーカー

 美しい景観の海岸で、海の中からウォーカーが出現、しかも何体も出てくる。この光景は、「ウォーキング・デッド」全シリーズ史上初。ダリルと彼が救った青年ロベルト(ウーゴ・アルブエス)が、船を修理するための部品を探すため、難破船が何隻も転がっている浜辺に行き、そこで船から取り外そうとする。すると、大きな音が出て、身体が腐敗しつつあるウォーカーたちが、海から、そして廃船から、何体も這い出してくる。その情景が今回のビジュアル面でのハイライト。このシリーズには、ウォーカーが不可欠であることを再確認させられる。

 その海岸に行く途中、ロベルトがダリルに協力する理由も判明する。彼は、恋人のフスティナ(カンデラ・サイッタ)を連れて、ダリルたちにアメリカに連れて行ってほしいと考えていた。ダリルは、船の部品探しにはロベルトの自動車が必要なため、彼の望みを断れない。

 また、ロベルトは船の修理のために、その技術を持つ女船長ヴァレンティナ(イリナ・ビョークルンド)をダリルに紹介する。このちょっと怖そうな女船長もドラマに絡んできそうだ。同役をミカ・カウリスマキ監督の『旅人は夢を奏でる』(2012)や、ジョージ・クルーニ主演の『ラスト・ターゲット』(2010)のスウェーデン出身女優ビョークルンドが演じているのは、この船長がスウェーデンからこの国に流れ着いたという設定なのかもしれない。

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キャロルとロベルトの父が、いい雰囲気に?

 一方キャロルは、ダリルとロベルトが留守の間に、ロベルトの父となんだかいい雰囲気に。父アントニオを演じるのは、アレハンドロ・アメナーバル監督の『次に私が殺される』(1996)、『オープン・ユア・アイズ』(1997)でイケメン役を務めたエドゥアルド・ノリエガ。近年では『9人の翻訳家 囚われたペストセラー』(2019)などに出演している。そういえば、このシーズンのキャロルは、負傷のためにいつもの強さを発揮していないので、アントニオがキャロルの強さを知ったらどう思うのか、と要らぬ心配をしてしまう。

 このシーンでアントニオが見ている映画皆殺しの天使』(1962)は、ルイス・ブニュエル監督がメキシコで撮った不条理ブラック・コメディー。メキシコ映画だが、使用言語はスペイン語だ。このシーンには、キャロルの過去を連想させるセリフが2つある。

 まず、一つ目は「モナリザ」。アントニオが、名画「モナリザ」は誰もが保護したくなると語るが、キャロルは彼が言った通りの出来事が起きたことを知っている。本作のシーズン2第3話「見えぬもの」で、“生者の力”のリーダー、ジュネ(アンヌ・カリエール)がかつてルーヴル美術館の掃除人で、ウォーカー発生時にその画を救い、今は自分の本拠地の壁に飾っていることが描かれた。キャロルがその画を見ていると、ジュネが「本物よ。私が壁から外した」と話しかけてくるシーンがあった。

 2つ目は懐かしい名前「ジェリー」。キャロルは、アントニオが映画の大切さを語るのを聞き、「ジェリーみたい」と言う。このジェリー(クーパー・アンドリューズ)は、本家シリーズシーズン7から登場した“王国”のリーダー・エゼキエル(カリー・ペイトン)の右腕的存在で、いつも笑顔の癒し系キャラ。シーズン9第11話「決意」で、彼とエゼキエルが、ウォーカーでいっぱいになった廃墟の映画館を復旧させようと計画していることが描かれ、後にそれが実現する。映画館の復旧には、エゼキエルも夢中だったのだが、ここでかつて夫だったエゼキエルの名前ではなく、ジェリーの名前を出すのは、キャロルがアントニオに心惹かれ始めているゆえの微妙な心理からだろうか。キャロルはシーズン9第16話「嵐の予感」でエゼキエルに別れを告げてその後はよき友人になり、あれからかなり時間が経っているのだが。

 ちなみに、キャロルが言う「昔、友人の兄弟がバルセロナに住んでいた」について、ファンの間では、コミック版に登場したリックの弟ジェフリーについて言及しているのではないかと話題になっている。実写版に登場したら大きな話題になりそうだ。

 また、過去を思い出させるエピソードはダリルにもある。ダリルが、巡礼たちが通る「聖ヤコブの道」の道標に置くルービックキューブは、本作シーズン1~2で一緒に旅したローラン少年ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)の持ち物だった。ダリルは今も、ローランの旅が無事であることを祈っているのだろう。この聖ヤコブの道は、別名サンティアゴデ・コンポステーラの巡礼路。実在の有名な道で、ヨーロッパを横断してスペイン北西部にある聖ヤコブの墓へと続く。

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自ら「奉納品」に…フスティナがまさかの行動

 前回、ダリルが武装集団エル・アルカサルの兵士3人を倒した件は、ダリルが犯人として疑われるという事態にはならなかったが、別の事件が発生する。ロベルトの恋人フスティナが、自分が武装集団への「奉納品」になるのを6回も逃れていることに罪悪感を抱き、自ら「奉納品」になる。今回のエピソードタイトル「犠牲」はこのことを指しているのだろう。

 これをロベルトが黙っていているはずはなく、きっとダリルに協力を求めるだろう。となると、町のカウガール・パス(アレクサンドラ・マサンカ)も、武装集団のリーダーの妻となっている恋人エレナ(グレタ・フェルナンデス)を救うため、ロベルトに協力するのではないか。次回は、何かが起きそうだ。

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」はU-NEXTで独占配信中(全7話、毎週月曜日に1話ずつ追加)

(c)2025 Stalwart Productions LLC.

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