「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」シーズン3第5話:異色回!“風来坊”ダリル、バイクで荒野を疾走
今週のウォーキング・デッド

「ウォーキング・デッド」の人気キャラクター、ダリル(ノーマン・リーダス)とキャロル(メリッサ・マクブライド)のその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」。第5話「辺獄」は番外編的なエピソード。ダリルがマカロニ・ウエスタンのヒーローになる!(文・平沢薫)
※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」第5話をまだ観ていない方はご注意ください。
まさにマカロニ・ウエスタン!ダリルが無人の荒野を疾走
今回は、ダリルを単独の主人公にした1話完結の番外編的なエピソード。冒頭で、武装集団エル・アルカサルに捕まったロベルト(ウーゴ・アルブエス)が、ウォーカーの餌食にされそうになっているところをダリルたちが救出した後は、ダリルが一人で武装集団を追うことになる。これまで以上にマカロニ・ウエスタン風の世界が描かれて、その世界の中で、ダリルのクールなヒーローぶりがたっぷり味わえる。
見渡す限り人影のない、どこまでも続く、黄色く乾いた荒野。空には死体を餌にしようとする鳥たちが舞う。その中をダリルが乗ったオートバイが疾走していく。敵もオートバイで追ってくる。これがオートバイではなく馬だったら、そのまま西部劇の情景だ。マカロニ・ウエスタンは、『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』など、1960~1970年代にイタリアやスペインの荒野でロケ撮影されたイタリア製の西部劇で、主人公は風来坊やならず者などのアウトローたち。今回のロケ地はそのままスペインの荒野であり、ダリルの一匹狼的なキャラクターも、マカロニ・ウエスタンにピッタリだ。
アクション&ストーリーもマカロニ・ウエスタン流
今回は、情景だけでなく、ダリルのアクションもマカロニ・ウエスタン風。オートバイを操りながら、片手で銃を撃つ姿はまさにガンマンだ。そして、荒野を進む列車を舞台にアクションが展開するのも、西部劇の定番。その列車内にウォーカーたちが乱入してきて、戦う相手が敵だけではなくなって「ウォーキング・デッド」流のアレンジになる。
さらに、ダリルが立ち寄ったハンセン病の人々が住む集落で、ダリルが敵を一人ずつ倒していくクールなシーンが連続する。その背景に、崩れた古い建造物があるので、映像のスタイリッシュさが倍増。西部劇風のアクションには変化形もあり、中でも、ダリルは剣のようなものを持って待ち構え、敵がオートバイに乗ったまま斧のような武器を持って接近し、2人が激突するシーンは見もの。西部劇のガンマン同士の決闘の形式に、スペインの中世欧州的な建造物の雰囲気を意識した、中世の騎士が騎馬ですれ違いながら敵を攻撃する槍試合の要素を加えているように見えて、この決闘ぶりは新鮮。激突の後、一瞬、敵が立ち上がり、それから崩れ落ちて死んだと分かるのも西部劇風だ。
また、ストーリーも西部劇の定番。ダリルは今回、村人に頼まれて、武装集団を倒し、村を去っていく。これは、風来坊が村に立ち寄り、村の人々の敵を倒して、去っていくという西部劇の定番パターンそのまま。村の人々に見送られて、一人で馬……ではなくオートバイで去っていく情景で終わるのは、まさに西部劇のようだ。
その過程で、風来坊が幼い子供に好かれるという描写は西部劇でもよくあるが、ダリルが子供に好かれるのは「ウォーキング・デッド」の定番でもある。本家シリーズでも、幼いカール(チャンドラー・リッグス)とすぐに打ち解けたし、本作シーズン1でもローラン少年(ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)に好かれた。おそらく、子供たちは、ダリルが自分たちと同じ純粋さを持ち、ウソをつかないことを直感的に察知するのだろう。今回は、幼い少女ロサ(インディア・ソリア)がダリルに、この土地では貴重品の水筒を贈る。
キャロルからの誘い、フェデリコの判断は…
ダリルは、武装集団エル・アルカサルの元にいるフスティナ(カンディラ・サイッタ)を追ってバルセロナへ。次回こそ、大規模な戦闘が繰り広げられそうだ。
一方、キャロルは、ロベルトの父アントニオ(エドゥアルド・ノリエガ)を、一緒にアメリカに来ないかと誘う。さて彼はどう返答するのか。また、城塞都市ソラス・デル・マルのリーダー、フェデリコ(オスカル・ハナエダ)は、ロベルトが掟を破ってフスティナを連れ戻しに行ったことを知った。彼はロベルトに罰を与えるのだろうか。次回はバルセロナと城塞都市の双方で、事件が起きそうだ。
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