【ネタバレ解説】「デアデビル:ボーン・アゲイン」S2第5話:回想で見えた新事実、Netflix版への敬意

昼は弱者を救う弁護士、夜は悪と戦うクライムファイター・デアデビルの活躍を描くマーベルドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」。シーズン2第5話「大いなる計画」では、「Marvel デアデビル」シリーズ時代や、それ以前の出来事も描かれ、エピソードタイトル通りの“グランドデザイン”(全体構想)が見えてくる。(文・平沢薫)
※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2第5話をまだ観ていない方はご注意ください。
亡きフォギーの再登場…見えてきた“全体構想”
今回は、デアデビル/マット・マードック(チャーリー・コックス)と共に弁護士事務所を開いた亡き親友フォギー・ネルソン(エルデン・ヘンソン)の回想エピソード、そして慈悲についての物語。同時に「Marvel デアデビル」から「デアデビル:ボーン・アゲイン」の現時点まで続く全体構想=グランドデザインが見えてくる、重要エピソードでもある。
「グランドデザイン」と言う言葉は、「Marvel デアデビル」シーズン3第13話「ア・ニュー・ナプキン」でデアデビルが語った、ラントム神父(ピーター・マクロビー)の言葉を彷彿させる。神父は彼に「神の計画は美しいタペストリーだが、人間はそれを裏側からしか見られない。表から見られる本来の美しさは、なんとなくしか感じられない」と言った。グランドデザインとは、このタペストリーの模様のことだろう。
今回は幾つもの模様が見えてくる。まずは、デアデビルとブルズアイ/ベンジャミン・ポインデクスター(ウィルソン・ベセル)。ドラマは前話の直後から続き、2人は特殊備隊に追われ、負傷しているブルズアイは自分を置いて逃げろと言うが、デアデビルはそれを拒んで、彼を救う。その理由は、フォギーが幼少時に自分をいじめていた犯罪者の弁護を担当し、彼を無罪にしたことを思い出したから。そしてその時、フォギーが、聖書には「慈悲」「2度目のチャンス」「罪のあがない」が書かれていると言ったことを思い出したから。これは、2人がまだ弁護士事務所を開設する前の出来事だ。現在のデアデビルの行動は、当時のフォギーの行動の結果なのだ。こうしてタペストリーの模様が描き出されていく。
また、マットとフォギーの事務所名についても新事実が判明する。「Marvel デアデビル」シーズン1第10話「親友との対立」の2人の大学時代のエピソードで、今回の回想シーンの冒頭にも登場したアボカドのジョーク、酔ったフォギーがスペイン語の弁護士アボガド(abogado)と果実のアボカドをかけて「俺たちは最高のアボカドになるぞ」と言い、デアデビルは事務所名は「マードック&ネルソン」ではなく「ネルソン&マードック」がいいと言うが、その理由は「ゴロがいいから」だった。しかし今回、別の理由も判明する。デアデビルは、今回の回想でも「ネルソン&マードック」がいいと提案するが、その理由は、フォギーの法律を遵守し、慈悲を忘れない行動に感銘を受けたからだった。
さらに、デアデビルとブルズアイの会話では、懐かしい人物を連想させるセリフも登場。デアデビルが「助けを呼ぼう、看護婦だ」と言うが、その看護婦とはクレア・テンプル(ロザリオ・ドーソン)のことだろう。彼女は「Marvel デアデビル」に登場していたデアデビルの協力者。「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」「Marvel ルーク・ケイジ」などNetflix時代のマーベルドラマに多数登場していた。
ヴァネッサの死、明かされた新事実
第5話では、キングピン/ウィルソン・フィスク(ウィンンセント・ドノフリオ)と、彼の右腕バック・キャッシュマン(アーティ・フラウスハン)の出会いも描かれた。それは、デアデビルが思い出したフォギーのエピソードと同じ時期。フォギーが無罪にした容疑者の雇い主はキングピンで、その容疑者の口封じをするために雇われたのが、バックだった。その頃から、見えないところでデアデビルと関係があったのだ。
このシーンには「Marvel デアデビル」のキングピンの右腕、今は亡きジェームズ・ウェズリー(トピー・レナード・ムーア)が登場。バックはウェズリーの旧友で、ウェズリーが彼をキングピンに紹介したことも分かった。ウェズリーの死後、バックが同じような立場になっていることを思うと、この関係も感慨深い。
さらに、キングピンの妻ヴァネッサ(アイェレット・ゼラー)が死去、2人の出会いについての裏話も描かれる。キングピンが彼女のギャラリーを訪れたのは、当時の右腕ウェズリーの助言からだった。彼がマネーロンダリングの相談をした時、ウェズリーが勧めたのが、美術品の購入だったのだ。ウェズリーが、2人の出会いを招いたとも言える。
また、ヴァネッサの新たな事実も判明する。彼女とキングピンの出会いのきっかけが、ヴァネッサが務めるギャラリーの真っ白な絵画だったことは、絵画の題名がエピソードタイトルだった「marvel デアデビル」シーズン1第3話「吹雪の中のウサギ」で描かれた。しかし今回、それ以前の出来事が判明する。
彼女はこの絵画に何かを感じて展示したいと考えるが、上司は展示しないように命じた。しかしヴァネッサは展示し、キングピンはその絵画に魅了され、2人は出会う。2人の運命的な出会いは、ヴァネッサの直感と大胆な行動によって生まれたものだった。このエピソードは2人の宿命的な絆を感じさせ、彼女の死によるキングピンの悲嘆の深さ、喪失感の大きさがより痛切に胸に迫る。今後の彼は、凶暴さと暴走ぶりがさらに加速するに違いない。
そして、エンディングでは、キングピンの広報担当のダニエル(マイケル・ガンダルフィーニ)が選択を迫られる。ダニエルは、キングピンを批判する動画を配信するBB(ジェニア・ウォルトン)が、自分を利用して情報を得ていることに気づいている。彼がバックに迫られた選択は、チェーンソーかスコップか。これは、バックと一緒に死体を処理するか、それとも死体となって一緒に埋められるか、という選択なのだろうか。次回はダニエルの物語が描かれそうだ。
「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2 ディズニープラスにて独占配信中
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