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シム・ウンギョン、人と人が共感し合うことに国境はない!

第44回日本アカデミー賞

シム・ウンギョン
シム・ウンギョン

 2020年3月に開催された第43回日本アカデミー賞で、映画『新聞記者』による演技が評価され、最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン。壇上では涙で声を詰まらせるスピーチが感動的だったが、あれから1年が経過したいま、海外で映画賞を受賞したことの心境を語った。

【写真】美の競演!昨年の日本アカデミー賞の様子

 昨年の日本アカデミー賞授賞式。最優秀主演女優賞の発表の際「シム・ウンギョン」と名前が呼ばれたときは「自分の名前を呼ばれることはないと思っていたので、本当にビックリし過ぎて心臓が止まってしまうぐらい固まってしまった」と振り返る。

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 座席からステージまで歩いていく時間は、頭のなかが真っ白になってしまい、あまり当時の記憶がないというシム。舞台に登壇してからは、大粒の涙も頬を伝った。「正直、はっきりと覚えていないのですが、とにかくいろいろな人の顔が浮かんだり、作品への思いが湧いてきたり……気がついたら涙が出てきてしまいました」

 最優秀主演女優賞を受賞した女優が、翌年の授賞式の司会を務めることが慣例化されている日本アカデミー賞。今年は羽鳥慎一アナウンサーと共に、シムが式をナビゲートする。「司会をするのは生まれて初めてです。いまはちゃんと自分の言葉を伝えられるように、日本語の勉強を頑張っています」と前向きに日々を過ごしているというと「かなりのプレッシャーがありますが、昨年最優秀賞をいただき、今年もとても華やかな場所に立てることに喜びを感じながら、しっかり楽しめるようにしたい」と意気込む。

今年の司会を務めるシム・ウンギョン

 韓国出身のシムにとって、海外で映画賞を受賞することは、改めて映画というものが、世界共通の言語となり得る可能性を感じると共に「より責任感を持って、まじめに俳優業に向き合わなければいけないという思いが湧いてきました。これまで以上に、より謙虚にお仕事をしていこうと気を引き締めました」と初心に戻ることができた受賞だったという。

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 シムが出会った『新聞記者』という作品について「撮影中は吉岡エリカというキャラクターとして、どうやってメッセージを伝えたらいいのか、本当に悩ましかった」と苦悩の日々あったことを明かす。「これまでは、『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』での幼いイメージがまだ残っていると思いますが、『新聞記者』に出演したことで、新たな一面を知ってもらえたと思います」

 さらに受賞から1年で自身の環境も大きく変わった。「昨年初めて日本で『七人の秘書』という連続ドラマにレギュラー出演させていただきましたが、少しずつ日本の方々にも、わたしのことを知っていただける機会が増えてきました」と笑顔を見せると、海外スタッフのなかで仕事をするうえで大切にしていることは「コミュニケーション」だと語る。

 シムは「言葉はとても大切です。わたしにとって、日本語は外国語。細かいニュアンスを伝えることは、難しいんです」と苦労している点を述べる。しかし、だからこそシム自身も丁寧に相手に物事を伝えようと努力するし、周りのスタッフたちもシムを理解しようと、寄り添ってくれるというのだ。

 言葉が違っても、相手を理解するために互いが歩み寄ることで「絶対に真心は通じる」とシムは信じる。そういった思いは芝居にも生きる。「信じることで共感が生まれます。海外でお仕事をさせていただいたからこそ、しっかり相手を思ってコミュニケーションをとることの大切さを感じました。わたしにとっては、本当に貴重な経験なんです」

 一つの目標に向かって、スタッフとキャストが一丸になって作り上げる総合芸術である映画。「表情や仕草だけで、なにを伝えたいのかがわかる……わたしはそういった、人の心に残るようなお芝居をしたいと思っています」と語り、志の高い映画人たちが集まる日本アカデミー賞の授賞式を「心から楽しみにしています。たくさんの方々とお話ししたいです!」と目を輝かせていた。(取材・文・撮影:磯部正和)

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