脳内でフラカン流れます

『ロッキー』に憧れ、ボクサーになった男の不器用すぎる第二の人生。劇中、極限まで研ぎ澄まされた肉体美を披露する木幡竜だが、白熱の試合シーンはもちろん、鎌滝恵利との壮絶で生々すぎるラブシーンが泣かせる。一方、『ロッキー』に憧れ、俳優になった幼馴染役の今野浩喜が見事なアクセントになっており、鈴木太一監督の『くそガキの告白』から10年、名バイプレイヤーとしての顔を披露する。王道スポ根かと思いきや、人間の醜い部分や狂気もえぐっていく一筋縄ではいかない展開は賛否分かれそうだが、それをも乗り越える熱量に、★おまけ。観た後は、脳内でフラワーカンパニーズの「深夜高速」が流れるはず。