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上質のラブロマンスに込められた時代の「終わり」と「始まり」

2022年5月21日 森 直人 帰らない日曜日 ★★★★★ ★★★★★

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帰らない日曜日

『ダウントン・アビー』とも重なる時代背景だが、こちらは労働党のマクドナルド政権が誕生したばかりの、1924年3月のたった一日が物語の主軸。戦争の影を受けた上流階級の憂鬱と絶望を象徴するポールと、のちに作家となるメイドのジェーン――旧時代と新時代の運命が交差する。「裸」と「着衣」の対比など、端正なメロドラマの中に政治的・社会的な奥行きが丁寧に編み込まれている。

原作小説には基本忠実ながら、1948年パートにおける哲学者の恋人の人種変更、ヴァージニア・ウルフの付与など、『バハールの涙』のエヴァ・ユッソン監督&『レディ・マクベス』の脚本家アリス・バーチによる批評的なアレンジも全て素晴らしい!

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。6月26日より、小林啓一監督(『恋は光』)の回を配信中、ほか、大野大輔監督(『辻占恋慕』)、佐向大監督(『夜を走る』)、川和田恵真監督(『マイスモールランド』)、東盛あいか監督(『ばちらぬん』)、長久允監督(『DEATH DAYS』)、松居大悟監督(『ちょっと思い出しただけ』)、舩橋淳監督(『ある職場』)、犬童一心監督(『名付けようのない踊り』)、片山慎三監督(『さがす』)、二宮健監督(『真夜中乙女戦争』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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