ADVERTISEMENT
18歳以上がご覧になれます

哭悲/THE SADNESS (2021):映画短評

哭悲/THE SADNESS (2021)

2022年7月1日公開 100分

哭悲/THE SADNESS
(C) 2021 Machi Xcelsior Studios Ltd. All Rights Reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

阿鼻叫喚の地獄絵図

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

台湾ゾンビの2大巨頭といえる『Z108地区 ゾンビ包囲網』の変態性に、『ゾンビ・プレジデント』の政治批判を掛け合わせたカナダ人監督が、容赦なきスプラッタ&エロ描写でダメ押し! 竹中直人の持ちネタ「笑いながら怒る人」のような感染者の描写がとにかく気色悪く、随所に地獄絵図を用意しつつ、『シャイニング』『スキャナーズ』などのオマージュも盛り込んでいる。それらを繋ぐストーリーに関して既視感があるのは否定できないが、結果的に『神は見返りを求める』以上に“心温まりづらいラブストーリー”になっているので、★おまけ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

レイプにマーダー……ただただ、ギミー・シェルター!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 スプラッター指数は恐ろしく高いし、人体破壊の描写も痛々しい。まず、これに対する覚悟が必要だ。

 バイオレンスは単なる見世物ではなく、感染者の悪意が引き起こしたこととして描かれている。暴行、殺人、レイプなどの残虐行為の連続は、感染者たちの理性なき暴言によって殺伐感を高めていく。

 パンデミックを題材にしているが、ゾンビ映画とは大違い。ウイルスによって、連鎖的に暴発し続ける人間の悪意。それらが普段は理性によって隠されているものだからこそ、本作にはリアルな怖さが宿る。あらゆるホラーを見て、本作に投影した台湾の新鋭ジャバズ。その才腕は記憶しておきたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

近年稀に見る凶悪な血みどろ人体破壊カーニバル!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 台湾で感染拡大する新型ウィルスが突然変異し、狂暴化した人々がそこら中で殺戮を繰り広げる。ストーリー自体はゾンビ映画に代表される感染パニックものの王道で、特にこれと言って目新しいような展開はないものの、全編に散りばめられた凄まじい人体破壊描写には圧倒される。いやあ、これは近年稀に見るようなグロさ。文字にすることも憚られるほど凶悪な残虐シーンが次々と飛び出す。しかもこの感染者たち、狂暴化するだけでなく性欲まで旺盛になっちゃうので、それこそ血糊と肉片にまみれた酒池肉林の乱交シーンまで繰り広げられるのだから参った。これが監督デビューのロブ・ジャバズ、ただ者じゃありません。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

噴き出す血の量が凄まじい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 噴出される血液の量に圧倒される。量だけ見れば異例の多さではないはずなのに、久々に大量の血を見たと思わせるのは、血液の描写にこだわりが感じられるからだろう。噴き出た血が床に溜まって、端から粘着性を持つ塊になっていく様子、その上を歩く足が滑ってしまう触感。新型コロナを連想させる、感染発生初期の恐怖も生々しいが、同じくらいに、突然の容赦ない暴力によるスプラッタ・ホラー色が濃く、強烈な印象を残す。

 監督・脚本・編集はカナダ生まれ、台湾在住のロブ・ジャバズ。アニメ監督出身で、本作が初の実写長編だが、ホラー映画が大好きで『死霊のはらわた』『セルビアン・フィルム』から刺激を得たと語っている。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT