カメラの前で語ることの意義

2015年3月28日 中山 治美 がむしゃら ★★★★★ ★★★★★

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がむしゃら

 図らずのも、顔面崩壊試合で時の人となった女子レスラー安川惡斗。重傷を負いながらもリング復帰を目指し、かつ対戦相手の世Ⅳ虎を気遣う精神的な強さはどこから来るのか? それを知りたければ本作を観ればいい。
 イジメにレイプ、解離性人格障害など弱冠28年には波乱万丈過ぎる半生だ。だが彼女は物語を創作したり、女優、そしてリングと、表現の場で心を解放しながら精神のバランスを保ってきた。本作もその一貫だろう。心理療法として芸術がいかに効果的かを実証した作品でもある。
 何より彼女の苦難を思えば、己の悩みなんて米粒サイズと誰もが敗北感に打ちのめされるはず。これほど人に生きる勇気を与える作品はないと断言する。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。GISELe、日本映画navi、goo映画、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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