シネマトゥデイ

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人間の理性を蝕んでいく戦場の地獄

  • 野火
    ★★★★★

     原作は太平洋戦争末期の敗退するフィリピン戦線を題材にした大岡昇平の小説。思想的な主義主張の押しつけを一切排し、敵味方に関係なく人間がケダモノと化す戦場の地獄を徹底したリアリズムで描く。
     熱帯のジャングルで行き場を失い、空腹と恐怖と孤独に理性を蝕まれ、やがて正気を失っていく日本兵たち。『プライベート・ライアン』も真っ青なスプラッター描写を織り交ぜながら、戦争という極限状態に置かれた人間の狂気に迫る塚本監督の演出は極めて骨太だ。
     それにしても、これを自主制作でしか撮ることのできない弱腰な日本映画界の情けなさときたら。低予算をものともせず堂々たる傑作に仕上げた監督の志に改めて敬意を表したい。

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なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください?なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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