サメ映画の新次元を切り開く極小限定空間カリラー

『ジョーズ』に始まったサメ映画の主流はモブ・パニックを基調にしているが、その点本作はソリッド。一匹のサメとひとりのビキニ美女の対決という、シンプルかつ無駄のない構造でグイグイ引き込む。
負傷して小さな岩場に取り残されたヒロインがサメと対峙。孤立無援、流血、満潮等の逸話がスリルを盛り立て、俯瞰ショットの効果的な挿入が緊迫感をあおる。スリラーの分野で快作を連発するジャウマ・コレット=セラの引き締まった演出は絶妙。ヒロイン、ブレイク・ライブリーの眩い水着姿も目を引かずにおかない。
岩場でのサバイバルはサメ映画というより『127時間』等の極小限定空間映画に近い。濃密な緊張が漂う90分。快作!