世界が滅びた時、人間に残されるものは何なのか?

マーゴット・ロビーが『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』と『フォーカス』の間に主演した、3年以上も前の作品がようやくの日本公開だ。核戦争後と思われる終末世界。無学だが素朴で信心深い若い白人女性と、教養のある無神論者で合理主義の中年黒人男性が平和な共同生活を始めるも、そこへ若くて力のある白人青年が現れたことで、3人の関係に緊張が走っていく。
果たして世界が滅びた時、人間に残されるのは知性なのか信仰心なのか、愛情なのか欲望なのか。宗教や人種など様々な問題を絡めながら観客に問いかけていくタイプの作品だ。かなり地味な映画ではあるものの、ほろ苦さを残す余韻の味わいなど悪くない。