極上のエンタメの底に眠る、悲しみに満ちた作家の極私的テーマ

2014年3月22日 清水 節 ウォルト・ディズニーの約束 ★★★★★ ★★★★★

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ウォルト・ディズニーの約束

 表向きは『メリー・ポピンズ』誕生までの舞台裏の長き確執。ウォルトの映画化への熱き願いを、なぜ原作者トラヴァースは頑なに拒み続けたのか。60年代初頭の時代再現と軽妙なバトルで眼を楽しませつつ、もうひとつの物語を見せる。それは、悲しみに満ちたトラヴァースの生い立ち。表層的には幸せそうな彼女の作品の根底には、非ディズニー的世界観が横たわっている。やがてウォルトは気づき、腹を割って話すのだ。
 
 メタ化という意味では『魔法にかけられて』に匹敵する。と同時に、極私的テーマを如何に普遍化してプロデュースするかという創作論にもなっている。笑って泣けて夢をみながら真実を知る。ディズニーの神髄ここにあり。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●製作55周年「ウルトラマン」Blu-rayBOX HD Remaster3.0収録「ウルトラ・レボリューション1966」構成・演出・取材●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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