大真面目に馬鹿馬鹿しさに挑んだ勇気に拍手!

高校生役のGACKTは年齢だけでいえばありえないのだが、魔夜峰央の世界観を表現するには唯一無二の絶妙なキャスティング。その実在感が作品の根幹も支えている。少女にしかみえない美少年役に女性の二階堂ふみを起用したのも馴染んでいるし、原作には名前しか登場しない京本政樹の役も、そっくりなキャラクターがいたかのよう。
未完の原作部分を伝説とし、そのツッコミ役にオリジナルの現代パートを加え、大ボラを吹く物語をうまくまとめている。シャレがわかってもらえないと成立しない作品だけに様々な懸念もあっただろうが、近年の日本映画には少ないナンセンスコメディを低予算作品でなく成立させたことに敬意を表したい。