シネマトゥデイ

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ソレンティーノ印で造形された「矮小な巨悪」の味わい

  • LORO 欲望のイタリア
    ★★★★★

    太陽に照らされた海に浮かぶ船室で野心ギラギラの青年(R・スカマルチョ)が腰を振りまくる――そこに流れるストゥージズの「ダウン・オン・ザ・ストリート」。えっ、スコセッシ!? と思わせるパワフルな疾走感で「ブンガブンガ」を含む前半を駆け抜けるが、そこからある種の「メロウ」に傾くのがソレンティーノだ。

    怪人ベルルスコーニのゲスな虚栄と色欲のぶ厚い皮に埋もれた「虚無と純情」。『イル・ディーヴォ』『グレート・ビューティー』『グランドフィナーレ』の合わせ技といった趣で、やはりフェリーニの残響がある。廃墟から掘り出されるイエス像は『甘い生活』のヘリコプターで吊り下げられたキリストが意識されているだろう。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTube配信番組『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。10月4日より、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)の回を配信中。ほか、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)、樋口尚文監督(『葬式の名人』)、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『SHADOW/影武者』&『帰れない二人』について)、田中征爾監督(『メランコリック』)、大崎章監督(『無限ファンデーション』)、安里麻里監督(『アンダー・ユア・ベッド』)、深田晃司監督(『よこがお』)、江口カン監督(『ザ・ファブル』)、長久允監督(『ウィーアーリトルゾンビーズ』)、工藤梨穂監督(『オーファンズ・ブルース』)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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