シネマトゥデイ

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ひたすら、酒と死体の臭いがする

  • 『女は二度決断する』でダイアン・クルーガーの新たな魅力を開花されたファティ・アキン監督が、『僕たちは希望という名の列車に乗った』のイケメン、ヨナス・ダスラーを、おっさん殺人鬼へと変貌させた。『殺人に関する短いフィルム』を意識しているだけに、不穏な空気感のなか、孤独な男の殺人の記録は淡々と展開し、時折、挟まれるカウリスマキ監督作のようなシニカルな笑いも特徴的だ。その一方、主人公の背景がほとんど描かれないうえ、被害者となる娼婦に対する酒の力を借りた暴力描写があまりにリアルすぎることもあり、嫌悪感も抱く恐れアリ。にしても、ここまでスクリーンから酒と死体の臭いがしそうな映画も珍しい。

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くれい響

くれい響

略歴: 1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では10年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況: 『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『オーバー・エベレスト/陰謀の氷壁』『地獄少女』『アイネクライネナハトムジーク』『見えない目撃者』『プライベート・ウォー』『サマー・オブ・84』 『映画 賭ケグルイ』『オーヴァーロード』『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ- 』『サイバー・ミッション』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「Movie Walker」にてポン・ジュノ監督×細田守監督、「香港ポスト」にて谷垣健治監督、「CREA WEB」にて高杉真宙さん、「TV LIFE」にて田辺誠一さんなど、インタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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