ヨーロッパ映画のような格調高さも漂う

2020年10月16日 くれい響 スパイの妻<劇場版> ★★★★★ ★★★★★

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スパイの妻<劇場版>

歴史ミステリーにして、「正義」を問うテーマ性や舞台劇のようなセリフ回しなど、一見手強い作品にも見えるかもしれない。だが、『ロマンスドール』に続いて夫婦を演じる芸達者な蒼井優と高橋一生に加え、やっぱり味のある東出昌大やキャリア最高の存在感を放つ坂東龍汰など、各々の芝居の面白さが随所に光る。展開が進むほど、不穏かつ不気味になる紛れもない“黒沢映画”だが、ヨーロッパの文芸作のような格調高さも漂い、ベネチアで評価を受けたのも納得。ただ、8Kなど、NHKの最先端技術を使用した意欲作として見ると、やや疑問が残る。大河や朝ドラを手掛けた撮影・照明チームに関しても、もっと遊び心が欲しかった感アリ。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『イップ・マン 完結』『追龍』『WAR!!!』『眉村ちあきのすべて(仮)』『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、「シネマトゥデイ」にて菅井友香さん、「TV LIFE」にて山田杏奈さん&鈴木仁さん、「CREA WEB」にて杉山真宏さん、「DVD&配信でーた」にて芦田愛菜さんなどのインタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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