恋のツボを押す脚本と役者の好演が光る

好きな本や映画が同じで、感性の似たカップルの変化を丹念に描き、恋愛したことがある人なら納得なポイント満載。恋を自覚したばかりのドキドキ、想いが通じてラブmaxへと至る心境、就職という現実によって感じ始めるズレからの小さなイライラ……。坂元裕二の脚本が恋のツボを的確に押す。恋愛当事者のさまざまに変わりゆく心もようを見事に描写していて、説得力あり。特に別れる時の男女の対応の差がリアル! 有村架純と菅田将暉が演じる等身大カップルは、最後まで見届けたくなる好感度の高さだ。永遠と思っていた恋愛感情や情熱は実は徐々に薄れるわけで、それをいつかは枯れてしまう花束に例えたタイトルがまた素敵だ。