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すずめの戸締まり (2022) 映画短評

2022年11月11日公開 120分

すずめの戸締まり
(C) 2022「すずめの戸締まり」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

なかざわひでゆき

今を生きる日本人へのメッセージを込めた渾身の力作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 山奥の廃墟に佇む不思議な扉。それを開けてしまった平凡な女子高生が、扉の向こう側の世界からこちら側へ出てこようとする「災い」を阻止すべく、魔法で椅子に姿を変えられた「閉じ師」の若者と共に、日本各地に点在する扉を閉めるための旅に出る。現代の日本社会を取り巻く閉塞感や絶望感を「災い」に投影しつつ、そんな状況下で全てを諦めたかのように見える日本人に対し「閉じるべきものをきちんと閉じて前へ進もう」という希望のメッセージを投げかける。今や日本が世界に誇るアニメ作家へと成長した新海誠監督。集まる期待によるプレッシャーは相当なものだったと想像するが、その中でこれだけの力作をものにしたのは立派だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

さらに力強さを感じる、新たなる希望の物語

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

新海誠監督の前作である『天気の子』の人柱に続き、今回カギとなるのは高橋留美子の「MAO」にも登場した要石。コロナ禍での製作を経て、災いに立ち向かう者たちの希望の物語として、これまで以上に力強さを感じる。ヒロイン・鈴芽の亡き母への想いなど、『はらはらなのか。』を思い起こさせる原菜乃華に、ミステリアスな一面など、ハウルっぽさも感じる草太を松村北斗が演じるという興味深さに加え、やっぱりスナックが似合う伊藤沙莉とチャラ男も違和感ない神木隆之介が圧巻。一部で批判されていたMTV感が影を潜めるなか、懐メロの使い方に注目。人々との交流も描くロードムービーとして、しっかり着地するエンドロールまで目が離せない。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

映画作家として新たな次元への野心。物語に引き込む磁力

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ここ数作、「災害があっても、そこで生きていく」テーマをどんどん強靭にしている新海誠監督にとって、本作はひとつの到達点という印象。大震災の描写をどこまで生々しく描くか期待と不安で観たところ、逃げるわけでもなく、かと言って超リアルに攻めるのではなく、作品として的確なバランス。
動物や小道具の役割にもオリジナリティが感じられ、今回も日本各地のスポットの再現度が鮮やかすぎて心躍る。
唐突な部分もあるにはあるが、そこをスピーディに、軽やかな演出で蹴散らして進むストーリーの勢いがある。気づけば、亡き人への鎮魂歌、一日でも長く生きたいと、ともすれば重い意図が、あざとくなく伝わり幸福な後味と化していた。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

新海流映画体験に爽やかな原菜乃華と頼もしい松村北斗を添えて

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

コロナ禍からスタートした企画ということで、再び映画館に活況を取り戻すべく、新海誠監督が考える映画体験を具現化した作品となっています。小説が2か月以上前に出ていることから考えても物語を細かく追うというよりは浴びるように映画を見るというのが正しい作法なのかと。原菜乃華は最初はちょっと不安な部分も感じましたが物語が進むに連れて逞しくなる様子が劇中のすずめと重なりました。松村北斗はキャリアの中でも屈指の頼もしさを感じさせる好演。共演陣は準レギュラーと化した神木隆之介を筆頭に安定感抜群。懐メロも含めた音楽の遊びも楽しかった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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