青春ゲシュタルト崩壊 (2025):映画短評
青春ゲシュタルト崩壊 (2025)
今を生きるティーンの、そして人間のリアル
思春期モノとして、じつによくできている。同時に、これは現代を正確に見据えた物語。
人に気を使い過ぎる者が患う“青年期失顔症”という架空の病気はSF的世界観を醸し出しているが、物語がリアルである分、こんな病気が実際にあるのでは?と思えてくる。そのリアリティは主人公たちの内面を深くえぐることで生じており、人間関係の息苦しさや生きづらさの生々しさに圧倒された。
主演陣に演技にはぎこちなさもあるが、それが逆に本作のキャラにハマッた。最初こそ今どきのティーンは大変だなあ……と他人事のように観ていたが、気づけばリアルとSNSというふたつの社会の中に置かれている。大人も観るべき映画である。
この短評にはネタバレを含んでいます