ネムルバカ (2025):映画短評
ネムルバカ (2025)
ライター2人の平均評価: 3.5
モラトリアムとロックンロール
やりたいことはあるのに手応えがない平祐奈の先輩と、やりたいことが見つからない久保史緒里の後輩が、小さなアパートで寄り添ってグズグズしながら暮らしていく。コスパとタイパとスマホが幅を利かせている今も、若者たちはこんな風にモラトリアムな季節を過ごしているのだろうか。原作が発表された約20年前とのギャップが少し心配になる。凡庸な(と書くと作曲者に失礼だが)ポップスに中指を立ててロックンロールをぶちかます展開も、おじさんには心地よく響くが今の若い子たちにはどうなんだろう。主演の二人はもちろん、バンドメンバーもとても良かったので、テレビ東京の深夜で30分ドラマのスピンオフが観たい。
シスターフッド映画の快作がまた一つ
シスターフッド映画にアクションを掛け合わせて大成功を収めた『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの阪元裕吾監督の最新作。今回はアクションの部分を会話と音楽に置き換えたような感覚の映画になりました。何と言ってもW主演の久保史緒里 と平祐奈の組み合わせが最高です。二人の会話のテンポの良さがとにかく心地よく最後までとても良いリズムで映画を堪能し続けることができました。本業だけでなく演技の仕事も多くなってきた久保史緒里ですが個人的には一番はまりました。音楽パートに挑戦した平祐奈もお見事。この組み合わせで別作品があっても良いかも。