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コメント部隊 (2024):映画短評

コメント部隊 (2024)

2025年2月14日公開 109分

コメント部隊
(C) 2024 ACEMAKER MOVIEWORKS & KC VENTURES & CINEMATIC MOMENT All Rights Reserved.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

なかざわひでゆき

単なる陰謀論では済まされないネット世論操作の闇

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 韓国の国家情報院が大統領選に際して世論操作チームを運営していた…という実際の事件をヒントに、自社グループの利益のためウェブ上で世論操作を仕掛ける某財閥系企業の闇を一匹狼の新聞記者が追及していく。英オックスフォード大学の調査によると世界70カ国で政府機関によるSNSを介した世論操作が行われているそうだが、ならば民間の巨大企業が同じことをしていても全く不思議はなかろう。劇中に出てくる企業名は架空だが、しかしあの企業ロゴを見れば元ネタは一目瞭然(笑)。とにかく見る者を煙に巻くような巧妙な筋立てで、どこまでが真実でどこからがウソなのか分からないというのがまた、この種の問題の核心をついている。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

ネット上のカオス、それはリアルのカオス

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『♯彼女が死んだ』も記憶に新しいところだが、韓国のインターネット題材の作品は切れ味がじつにシャープ。本作も同様だ。

 大企業に使われているらしきSNSのコメント部隊を、記者が追ううちに意外な事実が見えてくる。営利と報道、嘘と世論、誹謗中傷と名誉棄損が飛び交うカオス。道徳や良心がどんとん軽視され、悪意が束となって襲ってくる、そんなネット社会の現実が浮かび上がる。

 テキストのコメントがスピーディに連ねられるのでSNS慣れしていないと置いていかれかねないが、意義のある作品には違いない。毎日のようにどこぞの“炎上”がニュースになり、ときに人命にかかわる問題に発展する日本でも、これはリアル。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

今、ネットで起きていること

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ネットの動向を操作するのを面白がる人たちと、それを利用しようとする人たち、そしてその被害を受ける人たちという、まさに今、起きていることを描きつつ、それをいわゆる社会派映画ではなく、スリリングなエンターテインメント映画にしたところが魅力。この頃、いろんな場所で起きていることを連想させ、なるほどこういうことも起きているのだろうと思わせる恐怖映画でもある。

 さまざまなメディアには偏りもありそうで、さらにネットには膨大なフェイク情報が流通する現在、加害と被害の両面で、誰にとっても他人ごとではない物語。映画のラストに「本編はすべてフィクションです」というテロップが出るのが、逆に恐ろしい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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