ADVERTISEMENT

「桐島です」 (2025):映画短評

「桐島です」 (2025)

2025年7月4日公開 105分

「桐島です」
(C) 北の丸プロダクション
斉藤 博昭

徹底して日常感を出す毎熊克哉…やがて映画らしい劇的効果も

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

生真面目な性格。不本意な犯罪によって一生涯、追われる身になる。それでも、ささやかな日常の幸せを見つけようとする…。そんな主人公に、おそらく今、最も適役と思われる毎熊克哉が、期待どおり複雑かつ内に秘めた心情を好演する。出世作『ケンとカズ』での熱さと引きのバランスを思い出し、感慨にふけったりも。
逃亡犯だからこその日々。さりげないルーティーンが観る者の心をざわめかせ、変化する時代を示す人々の感情やニュース映像に、主人公のポリシーをシンクロさせてメッセージ性もきっちり。
特に終盤、あくまでも作り手の想像ではあるものの、桐島の本心に肉薄するエピソードの美しい配合が、映画らしい静かな劇的効果をもたらす。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT