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バースデイ・パーティ/天国の暴動 (2023):映画短評

バースデイ・パーティ/天国の暴動 (2023)

2025年4月25日公開 98分

バースデイ・パーティ/天国の暴動
(C) Beyond TNC Ltd and BMG Rights Management (UK) Ltd, 2023. All Rights Reserved.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

相馬 学

ロックはここまで、恐ろしいアートになる!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 2015年時のN・ケイヴがシリアスなアーティストであったことは『~20,000デイズ・オン・アース』を観れば明らかだが、10~20代だった1980年前後から彼がブレていないことがよくわかる一作。

 酒と麻薬で景気をつけ、荒々しく痛々しいパフォーマンスを披露するバンド。フロントマンであるケイヴの、のたうち回るようなアクション、それに応える演奏が、とにかく凄まじい。現在はアートに思考が結びついている彼だが、「考えるのではなく、体が勝手に動く」という若さの激情に圧倒される。

 切り絵アニメ風の再現映像を除けば、ライブ映像もインタビューも貴重なフッテージで固められ、ファンにはそれだけで嬉しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

短期間の激走の美しさ

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヴェンダース製作総指揮の本作は『ベルリン・天使の詩』(87年)の“前史”を映し出す。あの劇中に登場した二組のバンド、クライム&ザ・シティ・ソリューションとニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズに分裂したのが、豪州出身、1983年に解散したバースデイ・パーティだ。

このドキュメンタリーが示すのは、わずか数年で空中分解した伝説のバンドの壮絶な狂騒。刹那な魂の燃焼は、のちのニック・ケイヴの長きに渡るキャリアがとても想像できないほどだ。またラインハルト・クライストによるグラフィック・ノヴェル『Nick Cave: Mercy on Me』を援用したアニメパートが、若き堕天使たちの“神話”を補強していく。

この短評にはネタバレを含んでいます
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