プロット　殺人設計者 (2024)：映画短評

　綿密な計画を立てて偶然の事故を装い、依頼されたターゲットを確実に仕留める暗殺集団。ところが、あるミッションで想定外のトラブルが発生したことから、リーダーは「清掃人」と呼ばれる伝説の殺し屋に自分が狙われているのではと疑心暗鬼に陥っていく。普段から陰謀を仕掛ける側のプロが、それゆえ陰謀論に振り回されるという皮肉。香港ノワール映画『アクシデント』のほぼ忠実なリメイクだが、そこから一歩踏み込んで、ネットに溢れる陰謀論の是非を掘り下げていくあたりの脚色は上手い。ただ、安易な答えを示さず観客に考えさせるタイプの映画ゆえ、見終わってスッキリ爽快とはいかず。そこら辺は好き嫌いが大きく分かれるだろう。