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リモノフ (2024):映画短評

2025年9月5日公開 133分

リモノフ
(C) Wildside, Chapter 2, Fremantle Espana, France 3 Cinema, Pathe Films.
斉藤 博昭

ルー・リードの名曲が、役の運命から俳優の素顔にまで重なる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ここまで強烈な生きざまを観せられたら、たじろぐばかりである。ハナから常識とは無縁で、周囲にどんな目で見られようと、自分の野心と欲望で突き進む主人公。前半こそ、その過激さ、ハイテンションに観ているこちらも“引いて”しまうのだが、徐々に愛おしくなるのは、ベン・ウィショーが硬軟自在に役に憑依した成果のおかげ。彼の素顔を重ねれば切なくなる瞬間もあり、俳優人生のひとつの集大成といえる。朝焼けをバックに踊る姿は崇高で、いつまでも目に焼きつく。

何度か流れるルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」は、1970年代のムードを巧みに再現する効果だけでなく、歌詞を含め多方面から本作と“共調”し、至福な気分に。

この短評にはネタバレを含んでいます
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