安楽死特区 (2025):映画短評
辛くて観ていられない…のは作品としての成功を意味する
近未来の想定ではあるが、おそらく今後、リアルな問題として浮上するはずの社会的テーマを、実直に見つめた作品。個人の判断を優先する西洋的思考と、周囲の「しがらみ」から逃れられない日本的思考の違いもうまく脚本に取り込み、国にとっては安楽死制度がじつは助かる…という極論も生々しく伝わってくる。
ただ、観ながら、暗澹たる気分になっていくのは事実。多くの人が自分、あるいは身近な人の「死」に思いを巡らせるのは必然で、その意味で「今後の生き方を考えさせる」映画の目的は達成されたのでは?
クライマックスの演出は受容/反感に分かれそうだが、あるパートに収められた実録映像、その言葉はすべての人が心に刻むべきだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます





















