これからの私たち - All Shall Be Well (2024):映画短評
遺された者が直面する厳しい現実
高齢者のゲイカップルを描いたレイ・ヨン監督の前作『ソク・ソク』は、どこかあざとさもあり、個人的になかなか受け入れ難かったが、高齢者のレズビアンカップルを描き、若干キャストも被っている本作は、序盤で大切なパートナーが亡くなる意外な展開から始まる。それにより、葬儀や遺産問題など、遺された者なら誰でも直面する厳しい現実が襲い掛かる。丁寧な心情描写で淡々と紡いでいく人間ドラマだが、会議を経て、それまで円満だった相手方の家族との関係に亀裂が入っていく過程など、とにかく胸が痛む。ヨーロッパ映画のような肌触りもあり、前作以上に高い評価を得たのも納得しかない。
この短評にはネタバレを含んでいます





















