決断するとき (2024):映画短評
アイルランドの黒歴史に、静かに深く切り込む
ジャンプスケアこそないがホラー映画のように不穏。胸のざわつきを押し殺して暮らす主人公のトラウマが、アイルランドの黒歴史“マグダレン洗濯所”の実態と重なり合う。
権威に歯向かってまで人助けをするべきか悩む現在の主人公のドラマに、シングルマザーの母と暮らしていた少年期の悲劇が絡む。市井で必死に暮らす男の、決断までの過程を丁寧に描き込んでいる点に好感。さながらダークなケン・ローチ作品といった趣だ。
製作と主演を兼任したC・マーフィの抑制の効いた演技も素晴らしく、主人公のミステリーから目が離せない。ワンシシークエンスで見せ場をさらった、E・ワトソンのベルリン映画祭助演俳優賞にも納得。
この短評にはネタバレを含んでいます




















