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蒸発 (2024):映画短評

2026年3月14日公開 86分

蒸発
(C) 2024 OSSA FILM, BR, MORI FILM
森 直人

現実社会のグレーゾーンをいかに映像として採取・公表するか

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

今村昌平『人間蒸発』から河瀨直美『たしかにあった幻』まで、数々の映画でもモチーフとして扱われてきた日本社会の失踪者問題――「蒸発者」の実態に迫る野心作。カメラは実際の蒸発者たち、そして失踪のサポートをする夜逃げ屋の女性の姿などを捉え、生々しい言葉を引き出す。

驚くべきことに本作ではボカシ処理だけでなく、蒸発当事者の顔が映る。だがそれは生成AIのディープフェイク技術で置き換えられた別の顔(と声)だというのだ。つまり限りなく真実に肉迫したドキュメンタリーでありつつ、“ぎりぎりフィクション”の域に昇華しているとも言える。際どい手法だが、「映せないもの」の壁を突破する新しい試みとして興味深く思った。

この短評にはネタバレを含んでいます
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