日泰食堂 (2024):映画短評
ひたひたと迫る恐怖
「雨傘運動」しかり香港の民主化運動を描いたドキュメンタリーは数多く日本でも公開されてきたが、いずれも内側にカメラが入り込んだジャーナリスティックな視点のものだった。そんな中で食堂の日常を写しつつ、彼らが見聞きするニュース映像やSNSを通して当時の香港を記録した監督の冷静な視点と、映像作家としての矜持に感服する。そこは激動の本島とはあまりにも対照的な、のどかな離島。だが私たちは知っている。数年後には国家安全維持法が施行されて、あっという間に香港中に黒い雲が広がることを。当時の島民が抱いていた懸念や不安は今の私たちの状況とあまりにもシンクロしていて、恐怖を感じずにはいられないのだ。
この短評にはネタバレを含んでいます





















