URCHIN/アーチン (2025):映画短評
心は言葉にならず、さまよい続ける
タイトルは、ウニのことだが、浮浪児も意味するという。なるほど本作の主人公は家が無く、ときどきウニのようにトゲを出す。
主人公はホームレスだが、彼がなぜ現在のような状況になったのかをあえて描かないことで、映画は、ある個人の物語ではなく、ホームレスという状況を描いていく。主人公の心理がセリフで語られることがなく、彼の行動と、彼が夢や薬物服用時の幻覚として見る光景によって描かれるのは、彼自身が自分の心理を言語化できていないからでもある。
監督・脚本は『逆転のトライアングル』などで知られる30歳の英国俳優ハリス・ディキンソン。彼が監督として何をやろうとしているのかという観点からも興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます





















