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少女スナイパーが存在感放つ 韓国代表としてアカデミー賞外国語映画賞にエントリーされた映画『ザ・フロント・ライン』

少女スナイパーが存在感放つ 韓国代表としてアカデミー賞外国語映画賞にエントリーされた映画『ザ・フロント・ライン』
映画『ザ・フロント・ライン』より 少女スナイパー - www.thefrontlinemovie-us.com

 今年のアカデミー賞外国語映画賞に韓国代表としてノミネートされた映画『ザ・フロント・ライン(高地戦)(原題)/ The Front Line』について、チャン・フン監督が語った。

 同作は、1953年の2月、朝鮮戦争の休戦交渉が難航していた最中、東部の最前線のエロク高地で殺された韓国軍の兵士の死体から韓国軍の銃弾が発見される。敵に内通している人物がいるとの疑いから、その調査のためにカン・ウンピョ(シン・ハギュン)がエロク高地に派遣されるが、そこで、死んだと思っていた友人キム・スヒョク(コ・ス)と再会する。だが、彼の部隊は20歳の青年が大尉を務めているなど、いろいろな点で様子がおかしいことに気付き始めた矢先、彼らは高地奪還作戦に投入されていくという戦争映画。監督は、『映画は映画だ』や『義兄弟 SECRET REUNION』のチャン・フンがメガホンを取っている。

 映画内では、カン・ウンピョ役を務めたシン・ハギュンと、キム・スヒョク役を務めたコ・スのキャラクターの過去についてはあまり語られていないが、初稿の脚本には、彼ら二人の過去の背景が描かれていたのか、との質問に「そうなんだ。初稿の段階では、彼らが共に同じ学校に通っていたエピソードが含まれていたんだ。だが、この二人のキャラクターの歴史は、ストーリーをまとめるために、結局は省く形になってしまった。シン・ハギュンとコ・スの二人は、脚本から強い感情を見出していたようで、すぐに承諾してくれたんだ」と答えた。

 キム・オクビン演じるスナイパーは、スタンリー・キューブリック監督の映画『フルメタル・ジャケット』の女性スナイパーを彷彿させるが、何らかの影響があったのか。「確かにあの『フルメタル・ジャケット』の女性スナイパーと似ている箇所は幾つかあるね。あのキム・オクビンのキャラクターは、実際に北朝鮮に存在した少年スナイパーをモデルにしていて、よりドラマ的な要素を持たせるために少年から少女の設定に変えたんだ」と語る通り、男だらけの戦場の中で、彼女の存在が目を見張る。

 今回、アカデミー賞外国語映画賞への韓国代表として選考されたことについて「去年の韓国作品は秀作が多く、その中で代表作として選考されたことは名誉なことだと思っているよ」と答えた。残念ながら、このインタビュー後に行われたアカデミー賞外国語映画賞のショートリストとして選考される9作品には含まれていなかったが、この選考がこの映画のアメリカ公開をもたらしたようだ。

 映画内では朝鮮戦争が終結されるという発表があってから、実際に休戦協定が結ばれるまで12時間ものあいだ北朝鮮軍や中国軍と、韓国軍や国連軍が戦うことになるが、この12時間の戦いは、今も終わることのない韓国と北朝鮮の緊張感を象徴しているのではないか。「僕もあなたと同じ気持ちで、まさにいつまでこの緊張感を続けていかなければいけないのか、いつ母国に平穏がもたらされるのか?誰も分からない。だから、僕らは常に北朝鮮との関係については正しい判断をして、いつか妥協に到達できる日がくることを祈っている」と締めた。

 映画は戦争の非情さを描いた秀作で、ハリウッドの大作に負けないくらいの戦争アクションと、異常な状況に放り込まれた中で、人間性を保とうとするシン・ハギュンの演技が魅力の映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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