カンヌ総代表と黒沢清監督、夢の対談!リュミエール映画を徹底分析

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カンヌ映画祭常連の黒沢清監督と映画祭総代表のティエリー・フレモー

 カンヌ国際映画祭総代表のティエリー・フレモーが27日、都内アテネ・フランセ文化センターで行われた『リュミエール!』公開記念特別対談「現代映画としてのリュミエール」に来場、黒沢清監督と“映画の父”リュミエール兄弟について語り合った。

【写真】リュミエール兄弟が撮影した120年前の日本

 1895年12月28日、ルイ&オーギュスト・リュミエール兄弟が発明した“シネマトグラフ”で撮影された映画がパリで有料上映されたことで、リュミエール兄弟は「映画の父」と称されている。1895年から1905年の10年間にリュミエール研究所で制作された映画は1,422本。本作は、その中からフレモー監督が選び抜いた108本で構成され、フレモー監督自らがナレーションを担当した作品となる。

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 映画美学校マスタークラスの一環として行われたこの日の対談は、『回路』『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』などの作品が、カンヌ国際映画祭での受賞を果たしている黒沢清監督が登壇。フレモー監督と黒沢監督がセレクトした14本のリュミエール作品を上映し、その魅力を語り合う機会となった。

白熱のリュミエール談義を繰り広げる黒沢監督とフレモー

 学生に向けて「この場にいる人は、リュミエールがどういう人なのかは、ある程度は知っていると思いますが」と切り出した黒沢監督は、「ただ、もしこれまで一本も観たことがないという人がいたら、まさに今日こそが映画が誕生した日になるでしょう。映画の誕生がこれほど強烈に伝わる映画はありません。リュミエールの作品108本を一本の映画にまとめて、ナレーションをつけてくれたティエリーさんに感謝します」と謝辞を述べた。

 まずは世界最初の映画だと言われている『リュミエール工場の出口』から上映。「50秒くらいしかない映画ですが、その時間の中で、工場から犬や少女、馬車までなるべく出そうとしている。これは何を映すか狙ったものと、偶然に映ったものと両方あることがわかります。リュミエールが試行錯誤をしたすえにこれをつくったのではなく、いきなりこれをつくったことがものすごい」と驚いた様子の黒沢監督。

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 それに対して、フレモー監督も「おっしゃる通り、リュミエール兄弟もこの映画が50秒しかないことはわかっていました。ですから撮る前に(何を映すか)構成を決めていましたし、完璧な場所にカメラを置いて、構図もしっかりとつくりこんでいました。この映画は800コマの静止画から構成されていますが、一つのコマとして一緒のものはありません。それによって写真と違い、映画は動いているものであるということがわかるわけです」と解説。

固い握手!

 さらに「リュミエールの映画は普通の庶民の生活を描く、自然主義的なテーマを持っています。これは印象派の絵画に似ているところがあります」と続けたフレモー監督は、「彼らの映画に登場する人は、時々さりげなくカメラ目線になっている人がいます。それはきっとカメラを観ないようにと言われていたんだと思うんです。工員たちに工員の役をやってくださいと言っていたわけで、だからこそ彼らの映画には演出があったんだと思うんです。ドキュメンタリーではないんです」と解説する。

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 さらにこの日の会場には、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭である視点部門審査員賞を獲得した深田晃司監督の姿もあり、「カメラ目線については意識的だったのか?」「最初の上映の時は音楽が流れていたのか?」といった質問をフレモー監督にぶつける一幕もあった。

会場には深田晃司監督の姿も!

 この日、上映された作品は『リュミエール工場の出口』(1~3)のほか、『ラ・シオタ駅への列車の到着』『ペラッシュ駅に到着する列車』『橋の広場』『川の洗濯女たち』『少女と猫』『馬の水浴び』『捕鯨船からの風景』『雪合戦』『消防車:火事II』『船の進水式』『ナモの村落:駕籠から撮影されたパノラマ』など。フレモー監督は「友人の黒沢清監督や皆さんとこういう機会を持てて、とても幸せです。日本でこの作品が成功すれば、第2弾、第3弾と作りたい」と続編への意欲をのぞかせた。(取材・文:壬生智裕)

映画『リュミエール!』は10月28日より東京都写真美術館ホールほか全国順次公開

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