『ゴジラ』完全版、アメリカ人の反応は?

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シリーズ第1作『ゴジラ』完全版がニューヨークで上映。観客の感想は? - Embassy Pictures Corporation / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ニューヨークのジャパン・ソサエティーで2月2日(現地時間)に上映された『ゴジラ』(1954)の完全版について、アメリカ人の反応を聞いた。

【作品写真】顔がちょっと違う!? 1954年に公開された『ゴジラ』シリーズ第1作

 本作は、世界を魅了した特撮映画の金字塔『ゴジラ』シリーズの第1作。映画で描かれる焼け野原の都心は第2次世界大戦後の日本をほうふつさせ、現在でも問題を抱える核兵器の使用に警鐘を鳴らした作品でもある。本多猪四郎がメガホンを取り、特撮を円谷英二が手掛けた。

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 同作を鑑賞したのは今回が初めてと語るエッセイストのネルソン・スミスさんは「将来起こる核兵器の問題を予測したかのように描いているよね。僕の父は核物理学者で、『あの時点(第2次世界大戦の終戦間際)では、アメリカの核兵器の使用はやむを得ない選択だった』と言っていたけれど、その点に関しては多くの人々の間で長年議論されてきているよね。映画でも、芹沢博士は兵器の使用をためらっていて、それが簡単な決断ではないこともしっかり捉えられていると思ったよ」と問題提起をして、死を選ぶ芹沢博士に興味を持ったと話した。

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などの翻訳を手掛けているというサム・ベットさん

 東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」など、日本の小説を英語に訳している翻訳家のサム・ベットさんは、子供の頃から父親とアメリカ版の『ゴジラ』シリーズ(アメリカ版はアメリカ向けにわずかな編集を施している)を観に行っていたという筋金入りのファン。この『ゴジラ』完全版を鑑賞するのも今回が3度目だというが、「どれだけ『ゴジラ』シリーズが真剣に取り組まれてきたかが観ると理解できるよね。僕たちの世代は『ゴジラ』シリーズは子供向けで少々古くさいけれど面白く、低予算の怪獣映画という認識があるのだけど、オリジナルの『ゴジラ』は大人向けで明確に政治的問題を提示していると思ったよ」と感想を述べた。また、志村喬さん演じる山根博士(古生物学者)については「次々と破壊していくゴジラを生物学者の立場から擁護する山根博士を演じるのは、とても困難だったと思うね。彼は(ゴジラの)研究の必要性を示唆していて、興味こそが科学にいかに重要なのかを訴えていると思うんだ」と持論を展開した。

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 アメリカで独立系映画の批評を書き、アジア系映画に精通しているスティーヴ・コーピアンさんは「今作は、他の『ゴジラ』シリーズとは一線を画していて、ある意味、関川秀雄監督の『ひろしま』をほうふつさせると思うんだ。両作とも核兵器がもたらした惨事を題材に取り組んだものだしね。80年代や90年代の作品に比べ、近年の『GODZILLA ゴジラ』『シン・ゴジラ』はゴジラを人類による誤った行動によって生まれた怪物として捉えていて、シリアスな観点に回帰することになった。特に『シン・ゴジラ』はオリジナル『ゴジラ』のテーマや暗い見通しが反映されていると思う」と評価した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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