反日風潮の強化にはしない!韓国映画を筆頭にボーダーレスな作品が並ぶ第13回大阪アジアン映画祭

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映画『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』より

 第13回大阪アジアン映画祭のラインナップがこのほど発表となり、オープニング作品に1923年に起こった朴烈(ぼくれつ)事件で知られる無政府主義者・朴烈と金子文子の愛と闘いを描いた韓国映画『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』、クロージング作品に直木賞作家・道尾秀介が原案を書き下ろした津田寛治主演『名前』(戸田彬弘監督)が決まった。 

 同映画祭では例年、アジア各国で話題の最新作を中心に、日本の歴史や文化と関連した作品を数多く上映してきた。中でも今回の映画『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』は日韓の歴史を振り返るきっかけとなるような重要な作品だ。舞台は関東大震災直後の日本。朝鮮人が凶悪犯罪を画策しているという流布が拡散し、社会主義活動をしてきた朝鮮人の朴烈は目をつけられ、同志で恋人の金子と共に逮捕される。取り調べの中で2人が皇太子暗殺計画を自白したことから、日本社会をも揺がしていく。

映画『東京不穏詩』より

 歴史的な裁判劇にまで発展した一連の出来事が朴烈事件と称されるが、映画は2人の戦いの背景にあった信条や深い絆を描いている。監督は『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』(2015)でも、日本統治時代に治安維持法違反で逮捕されて獄死した国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジェ)の生涯に迫ったイ・ジュニク。韓国では昨夏に公開され、文子役の新鋭チェ・ヒソは“韓国のアカデミー賞”こと大鐘賞映画祭で主演女優賞と新人女優賞をW受賞したのを筆頭に新人賞を総ナメにした。

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 同作をオープニングに選んだ理由について、同映画祭プログラミング・ディレクターの暉峻創三は「作品の出来栄えや物語のドラマ性の素晴らしさはもちろん、昨今の情勢下、本作をその題材にもかかわらず反日風潮の強化には繋げまいとするイ・ジュンイク監督の緻密で徹底した努力にも感服させられた」と語り、太鼓判を押している。

映画『パパとムスメの7日間』より - (C)2017 KIMCHI MOVIE PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED

 その他、コンペティション部門にはインド出身のアンシュル・チョウハン監督による日本映画『東京不穏詩』。特別招待作品部門では、日本の同名ドラマをリメイクした韓国映画『パパとムスメの7日間』。マレーシアのリム・カーワイ監督による日本・スロベニア・マケドニア・マレーシア合作映画『どこでもない、ここしかない』。日本・韓国合作映画『あなたの宇宙は大丈夫ですか』など、不寛容な時代に希望の光を灯すようなボーダーレスな作品が並んでいる。

 また特集企画として、近年、躍進めざましい東南アジアにフォーカスした「ニューアクション! サウスイースト」や、フィリピン映画100周年を記念した「祝フィリピン・シネマ100年」も組まれており、日本ではなかなか触れる機会のないアジア作品を鑑賞できる絶好の機会となっている。(取材・文:中山治美)

第13回大阪アジアン映画祭は3月9日~18日までABCホールほかにて開催。

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