ソフィア・コッポラ、信念を貫く大切さ「やりたいことのために闘ってきた」

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来日したソフィア・コッポラ - 撮影:ホンマタカシ

 映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』で、女性監督として56年ぶり2人目のカンヌ国際映画祭監督賞に輝いたソフィア・コッポラが、決して平坦ではなかった自らのキャリアを振り返った。

ソフィア・コッポラ監督作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』予告編

 『ゴッドファーザー』シリーズなどの言わずと知れた巨匠フランシスフォード・コッポラを父に持ち、『ゴッドファーザーPART III』で主人公の娘役を務めると不名誉な映画賞ゴールデンラズベリー賞に輝くなど、ソフィアに対する世間の風当たりは強かった。しかし、父親と違う業界に進むわけではなく、それどころか父親と同じ“映画監督”としてのキャリアを成功させた。

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 衣装も美術も撮影も編集も、映画づくりのすべての工程が好きだというソフィア。「元々はアートスクールに通っていて、画家になりたかったの。上手くはなかったんだけどね(笑)。でも、写真やアート史などいろんなことをできる限り学んだわ。異なるアート作品をつくっているときでも、どうにか形になるまで続けてきた。どのアートもそれぞれにつながりがあると思う」。父親の背中を追いかけてというよりも、アート全般に興味があったからこそ、行きついたのが映画監督だったという印象を受ける。

 ソフィアはカンヌで監督賞を受賞した今、これまでのキャリアを振り返ってみて、「困難なことは常にあった。若く始めたての頃はどうやったらいいか、どうしたいかを考えるだけでも、難しかったわ」と実直に語る。少し考え込むようにして、「でも大事なことは、自分が信じていることをとことん貫きとおすということね。自分がやりたいと思うことのために闘ってきたわ。いつも全力で挑戦し続けている。私がアドバイスするなら、自ら信じていること、面白いと思ったことについて、直感を大事に。うまくいけば誰かが気づいてくれる。それまで継続することかしら」と続ける。

 “信じていることを貫きとおす”。ソフィアがその言葉を実践していることは、彼女の作品に一貫して描かれる題材からも明白だ。これまで手掛けてきた映画では“女子”を被写体に、持ち前の美的センスで私小説的なストーリーを語ってきた。そんな彼女の長編映画7作目『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、過去にはクリント・イーストウッド主演で映画化された小説を、彼女なりの女性視点で解釈したものだ。そのため、南北戦争中に負傷して女子だけの寄宿学園に運び込まれてきた北軍兵士ではなく、彼をかくまう女性たちの心理に迫っている。

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 主人公が女性の映画を作る難しさについて「映画業界の重役のほとんどが男性。彼らが興味を持つストーリーは、女性が興味のないものだったりするのがほとんどだから、困難はつきものね」としながらも、「でも私がこのストーリーに興味を持ったのは、女性を描いていることだったから、それを押し通して、幸いにも製作することができた」とここでも不屈の精神力を垣間見せる。いつしか、“二世監督”という肩書きではなく、ガーリーカルチャーの火付け役として、女性たちの圧倒的支持を受けるようになったのも、彼女がつくりあげた耽美な世界観によるものだけでなく、彼女の生きざまそのものにも共鳴できたからなのだろう。

 また、ディズニーの実写版『リトル・マーメイド』の監督を降板したことが話題を呼んでいたが、「大作になると(映画を)アートとして考えることができなくなる。そういうのに私は惹かれない。作家として私なりの視点を示すということに私は興味があるから。大作をやるときにはたくさんの人々の視点を含めなくてはいけないものだからね。小規模で、私的な作品をつくるほうが好き」とその経緯に触れつつ、今後も自分がつくりたい作品をつくっていきたいと話していた。ぶれない信念を抱き、女性として、監督として、円熟度を増している彼女だけに、今後のクリエイティビティにも期待したい。(編集部・石神恵美子)

映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は全国公開中

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