快挙!北海道ロケの比・自主映画が歴代興行記録トップに

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自主映画歴代興行記録No.1を打ち立てたシーグリッド・アーンドレアP・ベルナード監督 - (C)大阪アジアン映画祭

 北海道ロケを行ったフィリピン映画『キタキタ』(2017)が、現地の Malaya Business Insight などによると興行収入650万ドル(約7億1,500万円。1ドル=110円換算)を叩き出し、同国の自主映画歴代興行記録No.1になっていたことが分かった。新作を引っさげて第13回大阪アジアン映画祭に参加していたシーグリッド・アーンドレアP・ベルナード監督が明かしたもので、日本でも自主はおろか中規模の商業映画でも1億円を突破するのが困難になっている今、世界的な快挙と言えそうだ。

 『キタキタ』は夏の北海道を舞台に、日本人の婚約者に振られて傷心のフィリピン女性と、そんな彼女に手を差し伸べたフィリピン男性のラブストーリー。北海道に関係者の知人がいたこともあり、短期間&低予算で撮影でき、かつ地方なのでロケの許可申請も取りやすいだろうという理由でロケ地に選ばれたという。

映画『ミスターとミセス・クルス』の製作に取り掛かる時はプレッシャーだったと語るシーグリッド・アーンドレアP・ベルナード監督 - (C)大阪アジアン映画祭

 第12回大阪アジアン映画祭で世界初上映に続き、本国ではハリウッド大作が並ぶ2017年7月に公開。公開3週間で、同国の自主映画興行記録を持っていた『ヘネラル・ルナ(英題)/ Heneral Luna』(2015)の2億5,700万フィリピンペソ(約5億2,400万円。1フィリピンペソ=2.04円換算)を上回ったという(数字は現地の ABS-CBN News などによる)。あまりの人気ぶりに小説も出版され、ベルナード監督のもとには大手映画会社からオファーも舞い込んだという。

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 そして挑んだのが今回、大阪アジアン映画祭コンペティション部門に出品された『ミスターとミセス・クルス』で、これがベルナード監督の商業デビュー作となる。ベルナード監督は「自主映画がこれだけの収益を上げるのはフィリピンでも異例のことだったので、本作に取り掛かる時はプレッシャーがありました」と胸の内を明かした。

 しかし『ミスターとミセス・クルス』は、懸念を感じさせないような、軽快な大人のラブストーリーに仕上がっている。リゾート地のパラワン島を舞台に、互いに傷心旅行でやってきたものの偶然同じ苗字だったことから夫婦扱いされてしまった男女が、次第に心を近づけていく様を描いたもの。主演女優のライザ・セノンは、全ての上映作品の中から最も輝きを放っている俳優に授与される薬師真珠賞を受賞した。

映画『ミスターとミセス・クルス』より

 なおフィリピン映画が100周年を迎えたことを記念し、「祝フィリピン・シネマ100年」と題した特集企画も組まれた。同国出身の監督といえば『ローサは密告された』のブリランテ・メンドーサ監督と『立ち去った女』のラヴ・ディアス監督という二大巨匠が知られているが、本作のベルナード監督のほか、同じくコンペティション部門で上映された『ネオマニラ』のミカイル・レッド監督も「来るべき才能賞」を受賞しており、近年のフィリピン映画界の好調ぶりがうかがえた。(取材・文:中山治美)

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