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ウェス・アンダーソン、映画とは人生に何かをもたらしてくれるもの

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『犬ヶ島』を引っ提げ来日していたウェス・アンダーソン監督

 最新作『犬ヶ島』では舞台となっている日本を緻密かつユーモラスに描き出したウェス・アンダーソン監督。本作はもとより、『グランド・ブダペスト・ホテル』『ムーンライズ・キングダム』など唯一無二の世界観で人々を魅了してきたウェスに、そのインスピレーション源と映画をつくる意義について聞いた。

『犬ヶ島』冒頭から日本描写がすごすぎ!【映像】

 日本を舞台に愛犬を探す少年と犬の仲間たちの冒険をストップモーションアニメで描いた最新作『犬ヶ島』では、「犬の集団がゴミだらけの島にいるというイメージが浮かんだ」ことが最初のきっかけだったそう。しかし、それだけでは映画化に向けてのエンジンはかからず。それとは別に日本で映画をつくりたいという話を友人たちとかねてからしており、「ある時、さっきの犬のアイデアの舞台を日本にしたらどうなるんだって思いついた。日本を舞台にしようと決めたとたんに、どんどんアイデアが出てきて、映画にできるって思った。ストップモーションアニメでやることにしたから、実際に日本で撮影とはいかなかったけど……」と語る。

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 「なんで犬がゴミの島にいるなんていうアイデアが浮かんできたのか、自分でもわからないんだよ。とても奇妙だよね」と振り返るウェスだが、作品ごとにインスピレーションの源は異なるという。例えば、高級ホテルを取り仕切るコンシェルジュを主人公に描いた『グランド・ブダペスト・ホテル』は、「(共同脚本家の)ヒューゴ・ギネスと、僕たちのある友人に基づいた映画をつくろうって始まった。すごいのは、その役を演じたレイフ・ファインズもその友人と知り合いだったんだよ(笑)」。少年少女の逃避行と彼らを追う大人たちのドタバタコメディー『ムーンライズ・キングダム』は、「12歳で恋に落ちるってどういう感じなのか、それを描きたくて。キャラクターではなく、エモーションから始まったんだ」。海洋冒険コメディー『ライフ・アクアティック』は「伝説の海洋学者ジャック=イヴ・クストーがきっかけだ」。そんな具合に、時々のひらめきによってプロジェクトは開始するんだそう。

 「僕は常にプロジェクトを進めていたいタイプなんだ。映画をつくっていなかったら僕がどうなっていたか、自分でもわからない」と切り出すウェスは、あるエピソードを明かす。「僕の場合、バカンス中の旅先でも映像の編集者と一緒にいるのが好きで。何人かとパソコンを持って、そこで仕事をするというのが僕の楽しみなんだ。それが僕にとって、いい一日だったって思える過ごし方。でも何年も前に、ある映画をつくり終えたあとで、夏にバカンスを取ったんだ。次にどんな映画をつくろうか決まっていないときで、それが史上最悪のホリデーだったね。何もすることがなくて、どう過ごしたらいいのか本当にわからなかったんだ……」。そう語る姿からは、映画づくりへの愛が伝わってくる。

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 そんなウェスは映画づくりの意義について、「僕にとっては、物語を伝えることかな。目の前にある現実を忘れさせ、どこかに連れて行ってくれるようなストーリーを描きたいといつも思っている。映画を観ていて、そこに行ってみたいと思わせるようなね。映画とは、キャラクターたちの人生を見つめることで、観た人の人生に何かをもたらしてくれるものだと思う。誰かが執筆し、監督し、役者が演じたものは、アーティスティックに再創造されたものかもしれないけど、人々の心に深く突き刺されば、それが記憶の片隅に残り、その人自身の人生の一部になるんじゃないかって思っているんだ」と持論を展開していた。(編集部・石神恵美子)

映画『犬ヶ島』は公開中

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