30年連れ添った相手に突然別れを切り出されたら…ビル・ナイら出演作、夫婦のどちらに同情するかで真っ二つ

第44回トロント国際映画祭

深みのある演技を見せたアネット・ベニング - Courtesy of TIFF

 約30年連れ添った夫に突然別れを突き付けられた妻の姿を描いたイギリス映画『ホープ・ギャップ(原題) / Hope Gap』のワールドプレミアが第44回トロント国際映画祭で行われた。夫婦役を務めたのは『ラブ・アクチュアリー』などのビル・ナイ&『キッズ・オールライト』や『キャプテン・マーベル』のアネット・ベニングとあって、二人の深みのある演技が見どころ。この日の観客も、夫と妻のどちらに同情するかで真っ二つに割れた。

【画像】大胆なドレスずらり!トロント映画祭レッドカーペット

 『グラディエーター』の脚本家として知られるウィリアム・ニコルソンが監督と脚本を務め、自身が28歳の時に突然起きた両親の離婚劇を映画化した本作(ニコルソンはこの実話を「The Retreat from Moscow」というタイトルで舞台化もしている)。エドワード(ビル)とグレイス(アネット)は離れて暮らす息子のジェイミー(『ゴッズ・オウン・カントリー』のジョシュ・オコナー)を夕食に招いて久々に家族三人で過ごすが、エドワードはグレイスと離婚して別の女性と暮らすことを心に決めていた……。

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 歯に衣着せぬタイプのグレイスは、結婚生活の約30年にわたってエドワードのやる気のなさをしつこく批判し続けてきたが、それでも彼を愛しており、別れを切り出されたことは青天の霹靂。しかし、彼女に自分の存在を矮小化され続けたエドワードも我慢の限界だった。現地時間6日に行われたQ&Aでニコルソン監督は「グレイスとエドワードのどちらに同情したか?」と観客に逆質問すると、答えは真っ二つ(若干エドワードの方が多かった)。「それこそわたしが狙っていたことなんだ」と満足げな監督は、「父も母も愛しているから、平等な映画にしたかった。時に失敗したんじゃないかと心配になったこともあったが、アネットの深い演技が実現してくれた。なぜ彼はあんな残酷な方法で去ったのか、なぜ彼女はあんな振る舞いをするのか、わかってほしかったんだ」と続けた。

 アネットは「今日一緒に鑑賞していて、グレイスについて皆がどう思うか考えていた。演じていた時は彼女にかなり同情していたのだけど、映画を観ていたら『わたしは何を考えていたのかしら!』と思った」と笑う。「彼女はひどい(笑)。だから、彼が彼女を捨てたのも無理もないと思うのは理解できるわ」とエドワード派の観客に理解を示した。

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 それでもニコルソン監督は、アネットの名演があったからこそグレイスが同情できる人物になったと力説。「脚本に書いたはいいが、何が得られるのかよくわかっていないシーンがあった。しかし、わたしが手にすることになったのは、驚くほど豊かなものだった。彼女の顔にさまざまな感情が次々と現れるんだ。それは毎回同じことを繰り返すだけの俳優では起こり得ない。彼女は毎回演技を変える。その時、『オーマイゴット、これはうまくいく』と確信したんだ」と振り返っていた。(編集部・市川遥)

第44回トロント国際映画祭は現地時間15日まで開催

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