上白石萌歌、「がんばれ」に悩んだ前畑秀子選手を想う 日本人初の女性金メダリストの葛藤

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第36回「前畑がんばれ」より。前畑秀子選手にふんする上白石萌歌 - (C)NHK

 大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合・日曜20時~ほか)で、日本人女性初の金メダルスイマー、前畑秀子(まえはた・ひでこ)にふんする女優の上白石萌歌。NHKアナウンサーの河西三省(かさい・さんせい)が「前畑がんばれ!」と連呼した有名なオリンピック実況に触れ、「前畑さんは日本中から『がんばれ』と言われ続け、期待やプレッシャーを背負いながら、自分と戦った。そう思うと、オリンピック選手を演じることに誇りを感じます」と力を込めた。

【写真】日焼けサロンにも通った上白石萌歌

 6月30日放送の第25回より第2部がスタートした本ドラマ。阿部サダヲ演じる新聞記者・田畑政治(たばた・まさじ)を中心に、日本水泳チームの快進撃、戦争に翻弄される1940年の東京オリンピックと物語は続く。 前畑は200メートル平泳ぎで1932年のロサンゼルスオリンピックで銀メダル、続く1936年のベルリンオリンピックで金メダルを獲得した名選手だ。

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ベルリンオリンピックでロサンゼルスの雪辱を期す前畑(右から二番目)

 上白石は、NHKアナウンサーの河西が、白熱のあまり『前畑がんばれ!』と20回以上絶叫した伝説のラジオ放送を、前畑秀子資料展示館(和歌山県橋本市)を訪れた際にレコードで聴いている。

 「『がんばれ』という言葉に、わたしはプラスの意味にしか感じたことがありませんが、前畑さんは『がんばれ』と言われ続け、『他に何かないの?』と怒りすら感じていたようです」と上白石。「ベルリンオリンピックの練習で、田畑さん(阿部)がずっと『がんばれ』と言うので、『がんばって金メダルが取れるなら、もうロサンゼルスでとっていたわ』と(阿部を)水に落とすシーンがあるんです。わたしも演じるときに気持ちが乗って、遠慮なく阿部さんを水の中に叩き落としてしまいました……!」と印象的な撮影の一コマを振り返る。

 一方で、前畑の女性としての一面に深く共感している模様。「前畑さんは時代の星で、特別な女性だったけれど、女性の選手同士では男性選手の噂をしたり『やっぱり勝てへん』と悩んだりもする。周囲の期待と不安をいっぱい胸に抱えて戦っていたんだと思うと、この役にかける思いがどんどん膨れ上がって行きました」

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前畑は、田畑(阿部サダヲ)をはじめとする「がんばれ」の言葉に重責を感じ苦悩する

 水泳を続けていた祖母の影響から、上白石は小学4年生から水泳を習い、平泳ぎが一番好きだったとも。初出演の大河ドラマで前畑を演じることを祖母に報告すると「すごく喜んでくれて、祖母にとっても輝かしい女性だったと知った」という。

 「祖母には昔、平泳ぎのノビが足りないと注意されたことがありまるんですが、前畑さんの泳ぎは瞬発力も飛び込みのスピードも力強さも全然違う。撮影で体力がもつか心配でしたが、プールに飛び込む前の目つきや、とにかく水泳が好きという気持ちの部分で前畑さんとリンクできたらと、無我夢中で取り組みました」と真摯に語っていた。

 ベルリンオリンピックを描く第36回「前畑がんばれ」は本日(22日)放送。(取材・文/岸田智)

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