イザベル・ユペール『寝ても覚めても』監督に熱烈ラブコール

映画『グレタ GRETA』より
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 アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『エル ELLE』など、このところ強烈なインパクトの役を文字通り「怪演」しているフランスの名女優イザベル・ユペール。11月8日公開の『グレタ GRETA』でも、予想の斜め上をいく演技をみせている。誰もが認める世界的大女優ながら、飽くなきチャレンジを続ける彼女の本心に迫ると、今後一緒に仕事をしたい相手として意外な名前も飛び出した。

『グレタ GRETA』戦慄の予告編

 新作『グレタ GRETA』は、ウエイトレスのフランシス(クロエ・グレース・モレッツ)が地下鉄の座席に置き忘れられた女性用のバッグを、親切心から持ち主の中年女性に届けたことから、とんでもない運命に巻き込まれていくさまを描くスリラー。バッグの所有者で一人暮らしのグレタを演じるのが、イザベル・ユペール。母親を亡くしたフランシスと彼女は、親子のような関係を育んでいくのだが、ユペールが出ているだけに「何か危険なことが起こる」予感が前半から充満。そしてその予感は、想像を超えたドラマとして観る者を震え上がらせる。

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 ある意味で、本作はユペールのファンの期待に応える作品だが、そうした期待も感じているのか尋ねると、ユペールは冷静に答える。「ごめんなさい、観客の期待に応える気持ちは一切ないわ。わたしは自己中心的なの(笑)。過激な役を選んでいるわけじゃなく、新しい何かに挑戦するべく、脚本や役柄、監督で出演を引き受けている。今回の場合は、監督がニール・ジョーダンという点が最大の決め手ね」

グレタ
心温まる友情劇から戦慄の展開へ……

 そのジョーダン監督の現場は「やりたくないことをやらされた記憶がない」と大満足の様子のユペール。「脚本の段階で、グレタは謎めいたトリッキーなキャラクターだとわかっていたけど、実際に撮影に入ったらグレタの部屋のセットが彼女の本質を表していて、役になりきれた。いえ、『なりきった』というのは言い過ぎね。わたしがグレタに入り込んだ度合いは漠然としている。モンスターのような彼女の行動を、わたしは絶対にしないから」とユペールは笑いながら答える。

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 基本的に脚本とジョーダンの演出に従いつつ、自らのアイデアも入れたと話すユペール。例えば、グレタが突然踊り出すシーンがあり「あそこは突発的に踊り始めてしまったの。そうしたらニールが『いいね。そのまま続けて!』と促してくれた。純粋に本能に従って演じた結果よ」。このシーンは『グレタ GRETA』の中でも、呆気にとられるほど強烈な印象を残すので、ユペールの「オリジナルダンス」に期待してほしい。

グレタ
66歳でこの色香&美しさ!

 一方、フランシス役のクロエについては「子役からキャリアを積んでいる完璧なプロフェッショナル。役へのアプローチもよく理解しているから、いい友人関係を築けたわ」と話すユペール。若い才能との仕事は、ことのほか楽しんでいるようだ。今後は、どんな相手との仕事を求めているのか。最近では、同じフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴジュリエット・ビノシュが是枝裕和監督作品(『真実』)に出たことも話題だが……。「韓国やインドネシア、カンボジアの監督と仕事をしているし、つい最近も香港の若い監督の作品に出たばかり。だから次は是非、日本人監督の作品に出演したいの。是枝さんもいいけど、ちょうど先日、パリで公開された『PASSION』の監督。ちょっと待って名前は……(手元にある新聞から記事を探して)リュウスケ・ハマグチ! 彼の『寝ても覚めても』のスタイルに、とにかく感動してしまったのよ」

 濱口竜介監督への愛はお世辞ではないようで、この『グレタ GRETA』でのインタビューの後、トロント国際映画祭で別作品のインタビューした際も「わたしの濱口監督への思いを伝えてほしいわ」と興奮気味に話していたユペール。これまでもグローバルな活躍を意識してきた彼女なので、日本映画への出演が現実となる日も近いかもしれない。(取材・文:斉藤博昭)

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