自分の子供が人を殺したら?いじめ死亡事件から着想『許された子どもたち』衝撃の予告編

いじめで人を殺し、無罪とされた子供を描く『許された子どもたち』
いじめで人を殺し、無罪とされた子供を描く『許された子どもたち』 - (C)2020「許された子どもたち」製作委員会

 映画『ミスミソウ』『ライチ☆光クラブ』の内藤瑛亮監督が、実際に起きたいじめ事件から着想を得た映画『許された子どもたち』の予告編が公開された。いじめで同級生を殺しながらも無罪になった子供たちをめぐる、衝撃的な問いかけが収められている。

いじめで人を殺し無罪に…『許された子どもたち』予告編

 本作の舞台は、日本のとある地方都市。中学1年生で不良少年グループのリーダー市川絆星(いちかわ・きら)は、同級生の倉持樹(いつき)を、いじめの果てに殺してしまう。当初は犯行を認めたが、息子の無罪を信じる母親の説得で否認に転じた絆星は、少年審判で無罪に相当する「不処分」の決定を得る。自由となった絆星に、世間から激しいバッシングが巻き起こるなか、樹の家族は民事訴訟により、絆星ら不良少年グループの罪を問うことを決意する。

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 「山形マット死事件」「大津市中2いじめ自殺事件」「川崎市中1男子生徒殺害事件」「東松山都幾川河川敷少年殺害事件」など、内藤監督が実際の死亡事件から着想を得た本作。構想に8年を費やし、長編デビュー作『先生を流産させる会』(2012)と同じ自主制作に踏み切った。

 子どもたちの役には、主演の上村侑をはじめ、所属事務所を問わず10代の出演者を起用。内藤監督は、ワークショップを通じて、少年犯罪や贖罪の在り様について、彼らと共に考えを巡らせた。撮影は2017年の夏から冬、そして2018年春と長期間にわたって行われ、彼らの成長をも映像に刻み込んだ。

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子どもたちには、実年齢に近いキャストを起用しワークショップを実施した。(C)2020「許された子どもたち」製作委員会

 公開された予告編では、同級生を殺した主人公に「お前さ、人の幸せ奪っておいて、自分だけ幸せになるつもりか?」「あなたは何を謝りたいの?」と大人たちが問いかけ、そんな彼を母親は「やってないんだから」「うちの息子は無罪ですから」とかばい続ける。予告内の「あなたの子どもが人を殺したら、どうしますか?」というキャッチコピーは、内藤監督がオーディション参加者に投げかけた質問だという。

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 「参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが『被害者』になることを想像していても、『加害者』になることは想像していなかったのだと思います。いじめに関する事件を目にしたときに、自分の子どもがいじめられる不安を覚えたり、かつて自分がいじめられた経験を想起したり、多くの方は被害者の視点で受け止めると思います」という内藤監督は、そのうえで本作についてこう語っている。

 「しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは『加害者』になる可能性の方が高いです。あるいは、自分自身はいじめと認識していなくても、かつて誰かをいじめていた可能性もあります。誰しもが加害者性を備えています。『被害者』になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で『加害者』になる可能性について避けてしまうーー。本作はそうした矛盾を描いた作品です」(編集部・入倉功一)

映画『許された子どもたち』は5月9日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開

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