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全編手描きのアニメ映画『音楽』、オタワのグランプリ獲得に続きアヌシー映画祭にもノミネーション

映画『音楽』ポスター
映画『音楽』ポスター - (C) 大橋裕之・太田出版/ロックンロール・マウンテン/Tip Top

 世界最大級のアニメーション映画祭であるフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭2020の長・短編オフィシャル・セレクションが現地時間19日に発表され、大橋裕之の原作を基に、岩井澤健治監督した『音楽』が、個性的かつ野心的な作品を対象とした長編コントルシャン部門に選出された。アヌシー映画祭と並んで世界4大アニメーション映画祭の一つと称されるカナダ・オタワ国際アニメーション映画祭でもグランプリを獲得しており、アニメーション界の風雲児となっている。

 同作は、バンド活動を思いつきで始めた不良学生たちが、まさかの音楽にハマっていく様子をシュールな笑いをちりばめながら描いた青春物語。大橋が自費出版した伝説の漫画を、実写撮影した素材をアニメーション化する「ロトスコープ」の手法を用いて岩井澤監督が7年以上かけて個人制作した力作だ。今年1月に新宿武蔵野館と名古屋・シネマスコーレで公開されるや評判を呼び、公開劇場は全国に拡大。観客動員3万人を突破する大ヒットを記録している。

 また自粛要請を受けて経営危機にあるシネマスコーレを応援しようと『音楽』×シネマスコーレのコラボTシャツを制作したところ瞬く間に完売となり、この度、再再再再販が決定する人気ぶりとなっている。

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 映画の完成時期のタイミングでオタワ国際アニメーション映画祭がワールドプレミアとなったが、制作段階からアヌシー映画祭を一つの指針としていたそうで、岩井澤監督は今回の朗報に「大変光栄です」と喜びのコメントを寄せている。

 アヌシー映画祭は今年、設立60周年の記念大会を迎えるはずだった。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの開催となり、60周年の記念イベントとアフリカ特集は来年への持ち越しとなった。ただし今年選ばれた作品を対象とした審査員による各賞の授与は行われ、オフィシャル・セレクションの結果は現地時間6月20日に発表される予定だ。

 岩井澤監督は「参加することができないのは残念ですが、何もしがらみなく映画館で映画を観られる日常が戻ってくることを願ってます」とつづっている。

 一方、長編コンペティション部門には、北村匠海芳根京子が声優を務めた村野佑太監督『ぼくらの7日間戦争』、海外でも人気の高い「ルパン三世」がフル3DCGで23年ぶりにスクリーンに帰ってきた山崎貴監督『ルパン三世 THE FIRST』が選出されている。(取材・文:中山治美)

そのほか、オフィシャル・セレクションに選出された日本関連作品は以下のとおり。

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【長編コンペティション部門】
・村野佑太監督『ぼくらの7日間戦争』(日本)
・山崎貴監督『ルパン三世 THE FIRST』(日本)

【長編コントルシャン部門』
・岩井澤健治監督『音楽』(日本)
清水ハン栄治監督『トゥルー・ノース(原題) / True North』(日本・インドネシア)

【短編コンペティション部門】
パトリック・スミスカオリ・イシダ監督『ビヨンド・ノウ(原題) / Beyond Noh』(アメリカ)

【パースペクティブ短編コンペティション部門】
原翔子監督『ジャスト・ア・ガイ(原題) / Just a Guy』(ドイツ)

【卒業制作部門】
金子勲矩監督『ザ・バルーン・キャッチャー(原題) / The Balloon Catcher』(日本)

【ワーク・イン・プログレス】
湯浅政明監督『犬王』(日本・中国、2021年公開予定)

アヌシー国際アニメーション映画祭2020は6月15日~30日、オンラインで開催

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